外の喧騒や車の音が、やたらとうるさく感じることがあった。
我が家は、断熱や防音については結構しっかりしている方だと思う。窓もそれなりに性能がいいし、壁だって普通に考えれば外の音がそんなに簡単に入ってくるような造りではない。
それなのに、外を走る車の音や、近所の話し声が聞こえてくる。
「あなたはどこから?」
「私はここから」
と、音の出どころが自己主張してくるわけではないので、耳を澄ませて原因を探してみると…
どうやら怪しいのはここだった。

そう、換気口である。
換気口のカバーを外してみると、なんと「ビューン」と風が吹き込んでくるではないか。
中をのぞいてみると、ポッカリと直径10cmほどの穴が開いている。

こりゃー、ほとんど外ですね。壁に穴が開いていて、そこから外気が直接入ってくるわけだから、外にいるようなもんだ。
いくら窓や壁の防音性能を頑張ったところで、こんなに大きな穴が開いていれば、そりゃあ音も入ってくる。
ということで、今回はこの換気口をどうにかしてみようという話。
そもそも、なんで換気口なんてあるの?
まず、なぜ住宅にはこんな換気口が付いているのか。
「シックハウス症候群」という言葉を聞いたことがある人も多いと思う。
昔、新築の住宅などで、建材や接着剤、塗料などから放散される化学物質が室内にたまり、頭痛や目・喉の刺激など、体調不良を引き起こす問題が話題になった。
これがシックハウス症候群だ。
そこで2003年に建築基準法が改正され、シックハウス対策として、住宅などには原則として機械換気設備を設置することが義務付けられたらしい。
一般的な住宅では、1時間あたりに部屋の空気の半分を入れ替える、いわゆる「0.5回/h」の24時間換気が基本になっている。
つまり、2時間で部屋の空気が一巡するくらいの換気量ということ。
我が家の場合、壁にある換気口から外気を取り込み、別の場所に設置された換気ファンで室内の空気を外に排出する仕組みになっている。
換気口から空気が入ってきて、家の中を通って、排気ファンから出ていくわけだ。
もちろん、換気はシックハウス対策だけが目的ではない。
人が生活していれば二酸化炭素も増えるし、料理をすれば水蒸気や臭いも発生する。湿気がこもれば結露やカビの原因にもなる。
夏場に室内に熱がこもったときも、換気は大切だ。
要するに、家の中の空気を入れ替えることは、快適に生活するうえでも健康面でも重要ということ。
ただし、困ったこともある。
外の空気を取り込むということは、当然ながら外の音も一緒に入ってくる。
さらに冬場は冷たい外気が入ってくるので、せっかく暖房で暖めた室内の空気を排出して、代わりに冷たい空気を取り込むことになる。
うーん。換気は大切だけど、騒音や寒さは何とかならないものか。
換気口に消音材を入れるというブリリアントな対策
何かいい方法はないものかと調べてみると、換気口に消音材を取り付けるという方法があるらしい。
なるほど、これは考えた人が賢い。
今回見つけたのは、ウレタン系の素材でできた、レンコンみたいに穴がたくさん開いている消音材。
この穴の開いた素材を換気口の中に入れることで、空気の通り道を確保しながら、音を減衰させる仕組みだ。
音は空気の振動として伝わるので、素材の中を通るときに音のエネルギーを吸収・減衰させる。製品の構造によっては、空気の通り道を工夫することで音を弱める効果も期待できる。
ピストルに取り付けるサイレンサーと同じ原理だ。部屋の壁にサイレンサーが付いていると考えるとなんかワクワクしますね!
しかも、こういう製品はそれほど高くない。
今回購入したものは、Amazonで6個入り約3,000円。
家の中が静かになって、冬場の冷気も少し抑えられるなら、3,000円なんて安いものだ。
取り付けは簡単。換気口にレンコンをぶち込むだけ
装着方法はいたって簡単。
まず、換気口のカバーをカパッと外す。
次に、中に入っているフィルターを取り外す。
ここまで、ネジやドライバーなどとは無縁だ。素手でいける。
あとは、購入したレンコン状の消音材を換気口の中に入れるだけ。真ん中に仕切り棒みたいなやつがあったが、レンコンを押しつぶして入れれば問題無し

我が家の換気口は、壁の奥行きが12cmほどあったので、1つの穴に対して消音材を2個入れてみた。

ただし、2個を連結して入れるときには、ちょっとした注意点がある。
穴の位置をぴったり重ねてしまうと、空気がそのまま通り抜けてしまう。逆に、穴を完全に塞いでしまうような入れ方も避けたい。
2個をつなげる場合は、穴の位置が段違いになるようにして、空気の通り道を確保する。
せっかく換気口に取り付けるものなので、空気が通らなくなってしまっては本末転倒だ。
なお、換気口の構造や製品によって適切な取り付け方は違うので、製品の説明も確認しておきたい。
防音効果は!?これは素晴らしいですぞ
さて、肝心の効果はどうだったのか。
これは、かなり素晴らしい。
我が家は比較的大きな幹線道路が近くにあり、普段から車の走行音が気になっていた。
ところが、消音材を取り付けてみると、明らかに外の音が小さくなった。
体感としては、こんな感じ。
| 外から聞こえていた音 | 取り付け前 | 取り付け後 |
|---|---|---|
| 普通の乗用車 | 聞こえる | ほとんど聞こえない |
| 大きなトラック | それなりに聞こえる | ほぼ聞こえない |
| 迷惑なバイク | めっちゃうるさい | ちょっと聞こえる程度 |
| お隣さんの話し声 | 聞こえる | ほとんど聞こえない |
もちろん、音の大きさや距離、窓の状態などにも左右されると思うけれど、少なくとも我が家ではかなり違いを感じた。
特に、普通の車の走行音がほとんど気にならなくなったのは大きい。
大きなトラックの音も、以前は走ってくると気づくくらいだったのが、ほぼ聞こえなくなった。
ただし、迷惑なバイクは別。
あの手の音は本当に大きいので、さすがに完全には消えない。それでも、以前の「めっちゃうるさい」から「ちょっと聞こえる」くらいにはなった。
そして、意外だったのがお隣さんの話し声。
庭で遊んでいるときの声なども、ほとんど気にならなくなった。
換気口から外の音が入ってこなくなったということは、反対に、室内の音も外へ伝わりにくくなっているはず。
我が家には赤ちゃんがいるので、夜中に泣いたときなど、近所に声が聞こえていないか気になることもあった。
これなら少し安心だ。
それから、オーディオ好きとしては、これも嬉しい。
今までは外への音漏れが少し気になっていたけれど、以前より少し大きめの音量で音楽を楽しめるようになった。
いやー、これはいい。
断熱効果も感じる。冬場の冷たい風が気にならなくなった
防音効果だけでも十分満足なのだけど、もうひとつ期待していたのが断熱効果。
冬場に換気口の近くに手を近づけると、外から冷たい風が入ってくるのがわかる。
せっかく暖房で室内を暖めているのに、冷たい外気が直接入ってくるのは、なんとももったいない。
消音材を取り付けた後は、換気口の近くに手を近づけても、以前のような冷たい風を感じにくくなった。
エアコンの設定温度も、1度くらい緩めてもいいかな?と思えるくらい。
換気口から吹き込む冷気が気にならなくなったのは確かだ。
防音だけでなく、冷気対策としてもなかなか良い。
換気性能は大丈夫?空気の通り道を塞がないように注意
ここまで書くと、換気口を塞いでしまえば、もっと静かで暖かくなるのでは?と思うかもしれない。
でも、それはやめておいた方がいい。
24時間換気は、シックハウス対策や湿気対策などのために設置されているもの。換気量が不足すると、室内の空気環境が悪くなったり、結露やカビの原因になったりする可能性がある。
今回の消音材を取り付けた後も、換気口から「ヒュー」という空気の流れる音は聞こえる。
空気の通り道が残っていることは確認できるけれど、これだけで換気量が十分に確保されているとは言い切れない。
本来の換気性能を維持できているかどうかは、風量を測定しないとわからない。
特に、消音材を2個連結して使う場合は、穴の位置をずらしつつ、空気が通るスペースを確保することが大切。
音を小さくしたいからといって、換気口を完全に塞いでしまうのは本末転倒だ。
まとめ:換気口の消音対策、これはやってよかった
今回、換気口に消音材を取り付けてみたわけだけど、個人的にはかなり満足度の高い対策だった。
- 普通の車の走行音がほとんど気にならなくなった
- 大きなトラックの音もかなり小さくなった
- バイクの騒音も以前より気にならなくなった
- お隣さんの話し声がほとんど聞こえなくなった
- 室内の音漏れも減ったように感じる
- 換気口から入ってくる冬場の冷気も気にならなくなった
これだけ効果を感じられて、費用は約3,000円。
もちろん、家の構造や換気口の形状、外の騒音によって効果は変わると思うけれど、換気口から音が入ってきている家なら、試してみる価値はあると思う。
防音や断熱というと、窓を交換したり、壁に工事をしたりと、どうしても大掛かりな対策を想像してしまう。
でも、意外と盲点なのが換気口だった。
家の中にいて外の音が気になる場合、窓や壁だけでなく、換気口も一度確認してみるといいかもしれない。
最後に、レンコンの後段に、100円均一に売っている、換気扇フィルターを切って挟んでおくと、掃除が楽なのでおすすめ↓

換気口の消音・防音対策、やってよかった。これはおすすめですぞ。
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