はじめに
ヘッドフォンを買ったら、ヘッドフォンアンプを作りたくなった。
もう完全に”何かを作りたい病”という不治の病にかかってしまった。
電子工作が楽しくてたまらない。
ヘッドフォンアンプは持ち運びたいので、できる限り小さくできるものにしようと思案していると、ChuMoy Ampが目に留まった。
最もベーシックなヘッドフォンアンプのようだ。
Chu MoyさんのHPを参考に、作ってみることにした。
回路
ほぼChu Moyさんのオリジナル定数をお借りすることにした。
ChuMoy Ampはオペアンプ一つでできるお手軽増幅回路だ。
ヘッドフォンくらいの負荷なら、大電流は必要としないのでオペアンプ一つで十分だろう。
増幅率は、約5倍の約14dBとした。
ここで注意だが、この回路は”FET入力のオペアンプ”用だ。
バイポーラ入力用には、正入力のバイアス電流を供給する抵抗である100kΩが大きすぎる。
FET入力ではバイアス電流は数百pAと微弱なので100kΩ以上に大きくしても大丈夫だが、バイポーラ入力では数百μA程度流れるので2kΩくらいが良い。
カップリングコンデンサとこの抵抗でハイパスフィルタを形成するので、カップリングコンデンサに容量が小さく特性の良いフィルムコンデンサなどを使いたければ、FET入力のオペアンプを使う方が良いだろう。
このことを忘れていたため、初めはバイポーラ入力のNJM2114Dを使用してしまい、エフェクトがかかったようなブボボボという音になり焦った。
オーディオ用FET入力のオペアンプにはBurrBrownのOPA2134やOPA2604などがある。
価格は少し高めだが、オフセット電圧を小さくできるので、FET入力のオペアンプは使い易い。
以前までは R4 をオペアンプの負帰還回路の内側に入れていた。
R4 はオペアンプの出力インピーダンス(ほぼ0Ω)とヘッドフォンの入力インピーダンス(数百Ω)とのインピーダンス整合を図るための、ダンプ抵抗だ。
インピーダンス整合の文献、オペアンプの文献をあさってみたが、このダンプ抵抗はインピーダンス整合の役割を考えると負帰還回路の内側に入れても外に出してもどちらでも良いようだ。
(実際、帰還内外どちらの作例も同じくらい存在する)
負帰還の外に出した方が回路としてすっきりするように思う、従って、上記の回路図もダンプ抵抗をループの外に出したものに書き換えた。
製作
部品は有り合わせのものを使用した。
都合の良いことに、オーディオグレードの丁度良い定数のものが手元にあった。
OS-CON (SANYO) 220uF
MKT1826 (ERO) 0.68uF
KP1830 (ERO) 220uF
リケノーム (理研) 50Ω
ニッコーム (ニッコーム) その他の抵抗
在庫一掃による製作だ。
オペアンプに加え、増幅率を決める抵抗やバイアス抵抗は全てソケットにより変更可能としている。
NJM2114Dが載っているのはバイアス電流の勘違いに因る。
後ほど、OPA2134PAに挿げ替えることになるとはこの時知る由も無い。
リケノームの金メッキリード線があったので、これを配線に使ってみた。
気持ち程度ゴージャスになった。
いよいよ大詰めの箱詰め。
ケースはタカチのプラスチックケースSW-75B。
(50mm×30mm×75mm)
006Pの電池を使う場合は、この大きさが小さくできる限界だろうと思う。(私には)
ボリュームは、カップリングコンデンサの前段にシリアルで付けた。
Aカーブ2連のALPS製のものを使用。
蓋をして完成。
ポケットに収まる大きさだ。
これが現在のポータブルオーディオ環境。
DJに憧れて買ったATH-PRO5。
クリスマスプレゼントに貰ったiPod nano 4GB。
そして今回作ったCMoy Amp。
安上がりだが、とてもお気に入りの環境だ。
CMoy Ampだが、非常にクリアで素晴らしい。
iPod直々よりも、CMoyを通すことで透き通った音になるのは不思議だ。
ノイズも気にならず、なかなかのヘッドフォンアンプだと思う。
まだまだたくさんリケノームやらニッコームの在庫を抱えているので、今度はバイポーラ入力オペアンプ用ChuMoy Ampを作ってヤフオクに出品してみようかな。
売れるかなぁ。
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