UCA202 U-CONTROL BEHRINGERレビュー|分解、ASIO対応方法解説

UCA202 U-CONTROL


ASIO対応、高音質、安価 三拍子揃ったUSBオーディオとして UCA202 U-CONTROL はとても有名だ。

サウンドハウスというDTMデバイスを販売している店をよく利用しているのだが、ある時不運にもサウンドハウスは不正アクセスを受けてクレジットカードの情報を流出させてしまった。
私の個人情報も流出してしまった。

そのお詫びとして、サウンドハウスでお買い物する際に1,000円割引となるクーポンが発行された。
その使用期限が迫り、何か買わなければとサウンドハウスを見ていたところ、UCA202 U-CONTROLが目に留った。

さっそく注文した。(なんだかサウンドハウスの思う壺なような気もするが…)
送料含めて、3,500円くらいで購入できた。

UCA202を使ってみる


UCA202 U-CONTROL の特徴は次のようなところである。

  • Output: RCA + S/PDIFデジタル光出力 + ヘッドフォン
  • Iutput: RCA
  • 16bit
  • DAC、ADCの仕事をするICはTEXAS INSTRUMENTSのPCM2902E
  • DAC:Sampling Rate = 32, 44.1, 48 kHz, THD+N = 0.005%, SNR = 96 dB, Dynamic Range = 93 dB, オーバーサンプリング
  • ADC:Sampling Rate = 8, 11.025, 16, 22.05, 32, 44.1, 48 kHz, THD+N = 0.01%, SNR = 89 dB, Dynamic Range = 89 dB
  • BEHRINGER本家ホームページより、ASIOドライバをダウンロードできる
  • 標準ドライバは、Windows標準装備のものを使う

実際に音を出してみたところ、高音質で有名なだけになかなかいい音が鳴る。

UCA202 光デジタル出力 → 自作NOS DAC CM102同軸よりも低音の締まりがいい、CM102同軸と同等にクリア
CM102-A+ 同軸デジタル出力 → 自作NOS DAC UCA202光に比べて、アナログ的な音。低音がクラブハウスのように荒く広がる感じ
UCA202 内蔵DACにより出力 自作NOS DAC に比べると、クリアさ、音の輪郭、迫力いずれも劣るが、値段に比して優秀
CM102-A+ 内蔵DACにより出力 元気な印象、クリアさや音の輪郭はかなり劣る
UCA202 ヘッドフォン出力 かなり臨場感あふれるサウンド、SoundBlaster Digital Music LX に比べクリアで音の輪郭がしっかりしている

3,500円とは思えないほどいい音が鳴るという印象だ。
デジタル出力は、同軸がベストだと思っていたが、CM102A+同軸よりもUCA202光の方が好みの音だ。オプティカルも捨てたもんじゃない。

録音もしてみたが、本格的な録音をしたことがないので、UCA202のInput性能はよく分らない。
レコードを録音してみたが、私としては満足なwavファイルが得られた。

ASIOドライバ導入


BEHRINGER 本家 ドライバーダウンロード から、純正ASIOドライバを無料でダウンロードできる。

インストールすると、次のように設定できる。

UCA202 ASIO Setting Screen image1

UCA202 ASIO Setting Screen image2

Tracktor という PCDJ から UCA202 にASIOドライバで音を出してみたが、なるほどリアルタイムに音の制御ができる。さすがASIOだ。

音は、WDMドライバ でも ASIO4ALL でも ASIO2KS でも BEHRINGER社純正ASIOドライバ でもそう大差ない。
気持ち程度 WDMドライバ はすっきり感が他に劣る気がするようなしないようなという程度だ。

しかし、UCA202のASIOドライバは大問題を抱えている。

こちらのブログの方も言及されているが、ASIOドライバ と WDMドライバ の両立ができないのである。
これはたいそう不便だ。

BEHRINGERの提供してくれている ASIOドライバ には WDMドライバ が組み込まれていない。
よって、ASIOで音を出す時には、ASIO以外では音が出せない(ASIO出力を持たないソフトやWindowsの音が鳴らせない)。また、逆にそれらを鳴らそうと思えば、ASIOを諦めるしかない。

BEHRINGER が WDMドライバ を組み込んだドライバを提供してくれれば万事解決するのだが…
ということで、BEHRINGER さんにお願いのメールを出しておいた。
不便だと感じられた方は、ぜひお願いのメールを送りましょう。要望を出す人が多ければ対応してくれるかも。

現状では、ASIOで音を出そうと思えば、ASIO4ALL が無難である。
ASIO4KS は再生専用なので、録音のASIOにも対応した ASIO4ALL でしばらくは凌ぐことにしよう。

UCA202 分解

ねじ頭を見つけてしまったので思わず分解してしまった。

UCA202 BEHRINGER OPENED PICTURE1

クロックは、きちんと水晶発振子からもらっている。

UCA202 BEHRINGER OPENED PICTURE PCM2902E

DAC や ADC などほぼ全てをいっさいがっさい取り仕切る IC は TEXAS INSTRUMENTS (Burr-Brown) の PCM2902E
けっこういい IC のようだ。
ただ、PCM2704 にはS/N比やダイナミックレンジで少し劣るようだ。
自作できる人は、PCM2704 あたりで作った方がいいものが作れそうである。

UCA202 BEHRINGER OPENED PICTURE3

チップコンデンサが大量だ。その分、電解コンデンサは少ないように思う。
だから、これほど安価にできるのかもしれない。

改造するとすれば、電源まわりだ。
UCA202 はUSBバスパワーによる電力供給だが、この電源まわりが心もとない。
もう少し平滑コンデンサの容量をアップし、できればもう一段LCフィルタで高周波ノイズを取り除きたい。

色々述べたが、UCA202 は安い割にとても使える。
ASIOドライバ に WDMドライバ が組み込まれればパーフェクトなのに。

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