HDSS® High Definition Sound Standardとは
HDSS (High Definition Sound Standard) をご存知だろうか。
米国アトランタに本社を置くTBI Audio Systems LLCという企業が提唱している新しい音響技術だ。
「低コストで飛躍的に音質を向上させることが可能な技術」との謳い文句で、近頃は様々な音響製品に採用されつつあるらしい。
気になる存在だ。
HDSSの特徴は以下の3点だ。
1) 歪のない正確で自然なサウンドの再生
2) 3Dサウンドによる自然な臨場感の実現
3) 心理的ストレスの緩和
これを実現するのが、ETLと呼ばれる素材だ。
イヤホンのキャビネットに、ETL(Embedded Transmission Line)という名前の特殊な素材を使っており、これがコアな技術(特許技術)となる。
温度変化・再生中の音・残響・定常波の有無等に依らずに一定に保ち、振動板の正確な動作を実現するとのこと。
つまり、外的要因の影響を受けること無く、いつでも原音に忠実な再生が可能となる。
これにより、立体感のある、自然な音が実現するとのこと。
ちなみに、人間が心地良いと感じるという観点では、例えば森の奥で耳を澄ませた時に、完全な静寂よりも、風の音・木々のざわめき・鳥のさえずりなどが混在し、様々な音が加工されず重なり合った方がリラックスできるらしい。
そこをコンセプトに、原音をありのままに再生することにより、ストレスを感じない、心地よい音の再生が可能となる。
HDSSイヤホンを買ってみた BLUE EVER BLUE 「868B」
ブルーエバーブルー(BLUE EVER BLUE)Model 868B というHDSSを搭載したイヤホンがビッグカメラで売られていたので、購入してみた。
価格は、3,200円ととてもリーズナブルだ。
このような箱に入っている。
「868B」の販売元であるBlue Ever Blueというメーカーは、アメリカ・ワシントンD.C.にあるらしいが、HDSS技術を開発したTBI Audio Systems LLCが、イヤホンだけに専念する舞台としてスピンオフした企業らしい。
「通のみぞ知る」といったイヤホンメーカーだ。
いざ、開封の儀。
中には、以下のものが同封されていた。
・イヤホン本体
・イヤーパット(ゴムのやつ、サイズ別に多数)
・イヤホンケース
iPhone 6に装着してみた。
端子は、L字なのか、ストレートなのか、微妙な間の子といった感じだ。
iPhoneのLightningケーブルからDACとしてステレオミニで出力し使用することを考えているので、このL字ともストレートとも言えない、微妙な形状は、あまり宜しくない。
HDSSイヤホンの音を聴いてみる
まず、聴いてみて率直な感想は
「音の数が多い」
ということだ。音の密度が高いと言ったほうが正しいか。
そして、意外にも
「低音が出る!」
ということだ。
原音に忠実に再生すると唄うイヤホンやスピーカーは、低音がスカスカなことが多いイメージがあったが、このイヤホンは低音の迫力が良い。
聴いていて、心理的ストレスが無いかと言われると、「?」という感じだが、確かに音の解像度は高く、迫力があり、「良い音の鳴るイヤホン」という感じだ。
3,200円の価値は十分にあると思う。
また、中音〜高音が繊細で、粒立ち感が素晴らしい。
全体的な音質を評価すると、以下のような感じだ。
高音域:★★★★☆(←抜けが良く、ピアノの音等は本物かと思う)
中音域:★★★☆☆(←普通)
低音域:★★★★★(←量感があり、迫力がある)
プラグ形状:★☆☆☆☆(←ストレートのステレオミニプラグにして欲しい)
「あれ?ヘッドフォンで聴いてたかな?」
と勘違いする時があるくらい、音の再現性、解像度、迫力が素晴らしい。
このイヤホンで聴いていると、他の安価帯のイヤホンとは異なり、「何の楽器かな?」というように、個々の音を分解して聴くようになった。それだけ、音の解像度が高いからだろう。
エージングが進むと、より低音の締りが良くなり、高音の抜けが良くなる。
欲を言えば、HDSSを搭載し、Bluetoothに対応した小型のイヤホンも出して欲しいところだ。
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