筋トレ後の部位ごとの筋肉回復時間の解説|学術論文等読んだ結果をレポート

筋トレ後の筋肉回復時間

筋トレした後、超回復するまでに、24時間以上の時間を要すため、筋トレ後は1日休んだ方が良いというのは有名な話である。

 

ただ、部位ごとに、超回復するまでに、要する時間が異なることをご存知だろうか。

 

部位ごとの超回復までに要する時間

カテゴリ 部位 超回復に要する時間
大きな筋肉 大胸筋(胸) 48
広背筋(背中) 72
大腿四頭筋(太もも) 72
大腿二頭筋(太もも裏) 72
大殿筋(お尻) 48
小さな筋肉 上腕二頭筋(力こぶ) 48
上腕三頭筋(力こぶの裏側) 48
下腿三頭筋(ふくらはぎ) 24
腹筋(お腹) 24

 

この時間を良く知った上で、筋肥大を行うためのトレーニングメニューを作ると良い。

 

例えば、腹筋は、24時間で超回復するので、毎日筋トレしても問題ない

一方で、比較的大きな筋肉である、例えば広背筋等は超回復に72時間も要するため、3日間の休養が必要である。

 

 

超回復の促進方法

筋トレを行うと、筋肉が断列し破壊されることにより、筋肉痛が生じる。

これが、「追い込んだ」ひとつのバロメータになるが、この状態だと、トレーニング前よりも筋肉量が減少した状態となる。

ここから、筋肉を休ませることにより、破壊された筋肉が修復されていく。

修復される際に、元よりも大きく強くなるように修復されるため、これを所謂「超回復」と呼び、これを繰り返すことで、筋肉が大きくなる(筋肥大)。

 

修復される前に、さらに筋トレをしてしまうと、破壊された筋肉が修復されないため、オーバトレーニングと言って、どんどん筋肉がやせ衰えてしまう。これは良くない。

 

従って、大切なポイントは、部位毎に超回復までに要する時間が異なるが、前述した時間、しっかりと筋肉を休ませてあげる(=当該部位の筋トレをしない)ことが重要となる。

 

また、超回復を促進させてあげると、筋肉の修復時により大きい筋肉が付くため、効率が良くなる。

超回復促進のポイントは、以下のとおりだ。

(1)超回復に要する時間、しっかりと筋肉を休ませる(=筋トレをしない)
これは前述したとおりだが、しっかりと部位毎に超回復に必要な時間、休ませてあげることが重要だ。

(2)しっかりと栄養を取る(プロテイン、サプリ、テストステロンを高める等)
超回復するためには、筋肉を修復するための栄養素が無ければ、きちんと修復できない。
特に、より大きな筋肉が作られるように、タンパク質や、筋肉を作れと命令を下すHMB、テストステロンを高める等の工夫を行うと良い。
(たいへん重要なので、別のポストで詳しく書く。)

(3)睡眠をしっかりと取る
寝ている間に、筋肉は良く回復する。したがって、良好な睡眠は不可欠となる。

(4)風呂に入り血行を良くする(風呂に浸かる)
血行を良くすることにより、血液循環が促進され、超回復の効果を高めることができる。
従って、お風呂はシャワーで済ませるのではなく、湯船に浸かり、血行を良くするように心がけた方が良い。

(5)ストレッチをする
ストレッチも、血行を良くするため、血液循環が促進され、超回復の効果を高めることができる。
付随的な効果となるが、ストレッチをすることにより、身体が柔らかくなり、怪我をしにくくなる利点もある。

(6)トレーニング直後に筋肉を冷やす(アイシング)
これは、なかなか実施が難しいが、トレーニング後に筋肉を冷やすことにより、炎症を抑え、超回復を促進すると言われている。
ただ、これは賛否両論あり、温めた方が、筋肉の破壊が進み、超回復時に筋肉が大きくなるという意見もある。

 

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超回復に関する関連研究・参考文献

超回復は、ジムではよく耳にするが、一般用語ではない。
科学的には、”Glycogen supercompensation” が一般用語だ。筋肉の保有するグリコーゲンの保有率が、トレーニング前と比較し、トレーニング後で増加することから、このように呼ばれている。

“Glycogen supercompensation”については、Wikipediaが良く纏まっており、理解しやすい。
https://en.wikipedia.org/wiki/Supercompensation

論文だと、1991年の論文がcitedの数から権威があるもののように思われる。
Muscle Glycogen Synthesis Before and After Exercise
JL Ivy – Sports Medicine, 1991
https://link.springer.com/article/10.2165/00007256-199111010-00002

グリコーゲンは糖質の一種で、筋肉が動作するために必須となる栄養素だ。
筋トレによって、筋肉がお仕事をして、グリコーゲンを消費する。その後、今後はさらにもっと仕事ができるように、回復する際は、筋トレ前よりも、多くのグリコーゲンを蓄えられるようになるというものだ。

なお、ここに書かれている文献には、筋肉の部位に依って、超回復の時間が異なることについては、言及されていない。

実際に筋肉の大きさに応じて、超回復の時間が異なることは、経験則として知られている。
筋肉が大きいと、それだけ多くのグリコーゲンが消費され、消費されたグリコーゲンが回復するまでに要する時間も長大するからだ。

筋肉の部位毎に、”Glycogen supercompensation”の回復時間が異なることを、ぜひ研究として評価・検証した論文が出て欲しい。

コメント

  1. 加藤 より:

    はじめまして。
    筋トレ初心者です。
    なるべく効率的に鍛えたいと思ってメニュー作りをしていますが、日々悩みながら行なっています。
    医学系の資格を持っているので、学生の時の教科書を見直してるのですが、超回復については24-72時間の記載しかなく、どの筋肉がどのくらいの時間を要するのかのデータも見つける事が出来ませんでした。
    そこで、こちらの記事を見つけたわけですが、各筋肉の回復時間はどの研究(論文)のデータでしょうか?
    御教授いただけますと、幸いです。

    • kei より:

      ご質問ありがとうございます。
      筋肉部位毎の超回復(glycogen supercompensation)について、私も論文は見つけられていません。
      (Google Scholarで漁ったことがありますが、グリコーゲン超回復の仕組みや時間などが書かれたものは見つかりますが、筋肉部位毎の超回復に要する時間を分析したレポートは見つかっていません)

      本記事に載せている超回復の時間は、海外のジムトレーナーが解説しているWebページを読み漁ってまとめたものです。
      ですので、経験則になるかと思います。
      (体感的にあながち間違っていないと思いますが、個人差はあると思います)

      • 加藤 より:

        Kei様
        早速の返信をいただきありがとうございます。
        私も質問したあとにPubMedで調べてみたのですが、読める範囲で(タイトルと概要をざっくり読み解くことが限界の語学力なので)見つけられずでした。
        経験則の説が正しそうですね。
        もし、参考にされたトレーナーの方のサイトリンクなどを教えていただけますと幸いです。

  2. […] 筋トレ後の部位ごとの筋肉回復時間部位毎に超回復に要する時間が異なるため、これを知った上でトレーニングメニューを作ると効果的blog.bnikka.com […]

  3. […] 筋トレ後の部位ごとの筋肉回復時間 […]

  4. TS より:

    初めまして。
    突然ですが、Instagramでこの表を丸パクリしたんではないかと思うものを発見してしまいました。
    あれ?どこかで見たことあるなぁって思ったんですが、ここの表でしたね。
    勝手に使ってるとしたら、本当に良くないと思いますので、ご報告させていただきました。

    • kei より:

      ご連絡ありがとうございます!筋トレの役に立てていただくのは嬉しいですが、パクリは確かに微妙ですね。。
      対応考えます。

  5. […] 引用:blacknikka […]

  6. […] 「筋トレ後の部位ごとの筋肉回復時間」という記事によると、部位ごとに回復時間目安が違うらしい。 […]

  7. […] このメニューのポイントとしてはこうだ。まずご存知の通り同じ部位を連続で鍛えるのは逆効果となる。そこで超回復に 72 時間かかる広背筋や大腿四頭筋・大腿二頭筋を中心にメニューを構成する。月・木、火・金なら間に二日ずつ挟むため結果的に 72 時間間隔となるのである。それより回復時間が短い大胸筋や腹筋などは時間があれば一緒にやる程度で構わない。土日は子供もいるのでワークアウトは休みとすることで、金曜までのメニューがどうであろうとも自動的に超回復に使えるというわけである。 […]