TCP optimizer
iPhone / iPadの脱獄(Jailbreak)アプリで「TCP optimizer」というアプリをご存知だろうか。
iOSのネットワーク関連のシステムパラメータを変更するソフトであり、アプリの導入により、Webブラウジングの高速化が期待できる。
3G回線、Wifi環境のいずれにおいても、効果がある。
パラメータの変更内容を見ると、特にYouTube等の動画のストリーミングを高速にすることを目的にしているようである。
(通常のWebブラウジングも高速化が期待される、特に弊害は無いと考えられる)
TCP optimizer 設定項目
具体的に変更するパラメータは下記の通り。
- increasing the TCP receive buffer from 131072 to 292000
<和訳>iPhoneが受信可能なウィンドウサイズ(バッファサイズ)を131072から292000に大きくする。これにより、通信相手(YouTubeサーバ等)はiPhoneからのACKを待たずして送信可能なデータ量が増える為、転送効率が向上する。 - disabling TCP delayed ACK’s
<和訳>TCP遅延ACKはプロトコルのオーバーヘッドを減らすために、最大500ms ACKの返送を遅らせて複数のACK応答を一つにまとめることが可能だが、特定のアプリケーションの場合は転送遅延が大きくなる(ACKを受信しなければ次のデータを送信しないアプリケーション等)。このTCP遅延ACKを非許可設定とする。 - allowing a maximum of 16 un-ACK’d packets instead of 8
<和訳>ACKを返送するまでに受信可能なパケット数を8から16にする。通信相手(YouTubeサーバ等)は、ACKを受信するまでに送信可能なパケット数が増える為、転送効率が向上する。 - set the default package size to 1460 instead of 512
<和訳>パケットサイズを512から1460に変更。一度に送信可能なデータ量が増える為、転送効率が向上する。
TCP optimizer インストール方法
- Cydia にて、以下のレポジトリを追加
http://cydia.pushfix.info/ - Cydia 上で、「TCP optimizer」で検索
- 以下の脱獄アプリをインストール
(iOS 3.1.2よりも新しい iPhone / iPadで動作)
実際、3G回線においても、Wifi環境においても、YouTubeの動画ストリーミングは高速になった(バッファが貯まる速度が、体感で2倍程度早くなったと思われる)。
特に弊害も無い為、ぜひ導入しておきたいアプリだ。
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