GW-AP54DB
PLANEXからGW-AP54DBというワイヤレスオーディオデバイスが発売されているのを発見してしまった。
本気で音楽を聴きたいそんな時はレコードの出番だが、レコードをひっくり返しにターンテーブルの元へ行くのも疲れてきた。
お手軽にmp3音源の音楽を聴きたい時だってある。
ノートPCをメインに使用しているので、ワイヤレスだと何かと便利である。
ノートPCで音楽を再生しネットワークに繋がったオーディオデバイスから音を出したい。
ネットワークプレーヤーというものがあるが、これはネットワークプレーヤー側のCPUで再生処理を行う。
ノートPC上のiTunesなどで再生操作を行うことはできない。
GW-AP54DBというデバイスはそんな私にとって願ってもない商品だ。
(ワイヤレスLANアクセスポイント機能は余計だが)
GW-AP54DBは無線LANアクセスポイントにネットワークオーディオの機能をひっつけたものだ。
光デジタル出力ができるところがいい。
このような機器にDACを任せたくはないものであるが、デジタルな信号をPASSさせるだけなら良いだろう。
また、デジタルな道をワイヤレスにするのも悪くない。
デジタルでもケーブルによって音質が変化するくらいなので、ワイヤレスにするのは恐ろしいものがあるが、無線の利便性を考えると目を瞑れる。
使ってみる
amazonでGW-AP54DBを5,100円で購入。
破格である、買わずにいられる訳がない。
既にワイヤレスLANアクセスポイントを持っているので、無線LANアクセスポイントの機能は停止して使用しようと試みた。
しかし、どうにも停止できない。
クライアントモードにすればできそうなんだけどなぁ。
我の強いデバイスなことだ。
仕方なく、狭い部屋に無線LANアクセスポイントを2つ設置するはめになった。
目には見えない高周波が私を蝕んでいく気がするが、仕方がない。
いざ使用してみたところ、Buffer Size を小さくすることができない。
1sec にしてようやく音飛びしないくらいだ。
200msec 以下で使用するのは厳しい。
ASIOでレイテンシー(latency)を小さくし、ジッタノイズを軽減するなんて言っていたのに。
けっこう篭ったような音だ。
これは残念。
何より、遅延が1秒もあると動画なんて見れたもんじゃない。
Siroccoのファームウェアを入れる
Sirocco Wireless Audio Bridgeという派手なワイヤレスオーディオデバイスがある。
よく見ると、GW-AP54DBと似ている。
調べてみると、これらはどちらも C-Media Wi-Sonic Audio Receiver Hardware というハードウェアを使用していることが判明。
このC-Mediaのドライバを元にPLANEXもSondigoもファームウェアを提供している。
よって、恐らくGW-AP54DBにもSiroccoのファームが入るだろう。
ということで、さっそく試してみた。
Sirocco beta driver v2.1.0 and firmware for Windows Vista and XP
上記をダウンロードし、何の芸もなしにファームウェアアップデート。
あっさりSiroccoのファームが入った。
うれしいことに、SiroccoのファームはPLANEXオリジナルと比較し次のような利点がある。
- Buffer Size を 50ms にしても音飛びしない
- ワイヤレスLANアクセスポイント機能を無効にできる
- ブラウザから、アクセスポイントの詳細な設定ができる
- カラオケ機能など、PLANEXオリジナルにはないエフェクトがある
- Windows Vistaに対応している
これで、無線LANアクセスポイント機能を停止し、50msという比較的低レイテンシーでの再生が可能になった。
Sondigoに大いに感謝する。
しかしながら、PLANEXのサポートセンターは如何なものだろう。
ワイヤレスLANアクセスポイントの機能は停止できないか、起動時に現れる設定画面を非表示にできないかという旨の問い合わせメールを送ったが、3ヶ月経った今も返事が来ない。
GW-AP54DB 分解
GW-AP54DB背面の黒いゴム足を外してみると、ひっそりとネジ頭が顔を出した。
ネジ頭を回さずにはいられない私、気が付くとドライバーを反時計回りに回していた。
電解コンデンサにLOW ESRと書いてある。
安い割りに、そんなに悪くなさそうである。
これなら、コンデンサを交換せずとも大丈夫だろう。
ところで、エコワットでGW-AP54DBの消費電力を測定してみたところ、
213時間 で 3.59kWh。
つまり、消費電力は 16.85W とけっこう高め。
一ヶ月の電気代はこのエコワットに言わせると、267円 程度だ。
一昔前のノートPCと同じくらいの消費電力である。
案の定、ヒートシンクの付いていないICはアッチッチになっていた。
仕方がないので、これでもかというくらいヒートシンクを付けておいた。
それが上の写真。
ヒートシンクを付ける前に写真を撮るのを忘れてしまった、残念。
DACに NOS DAC (TDA1543 + CS8414) を使用しているので、ワイヤレスにしてもがっかりするような音質ではない。
遅延も50msと許容範囲、便利なワイヤレスオーディオ環境にご満悦だ。
しかし何故だろう、mp3音源で聞いていると浮気をしているような気持ちになる。
ごめんよぉ、レコード。
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