はじめに
彼女の家のオーディオ環境にも口を出したくなってきた。
迷惑以外の何者でもない。
これがオーディオ好きの性。
この備忘録であるHPを覗いてくれる方には分かっていただけるだろうか。
それなりに使えるUSB DACを作りたい。
材料
USB接続でDACの役割を果たしてくれる安価なICを探していると、CM102-A+というのがシリコンハウス共立で500円で売られているのを発見。
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CM102-A+は、安物のUSBスピーカーの中によく隠れている人気商品のようだ。
「CM102-A」と検索しているとおもしろいHPを見つけた。
¥980の目玉もどきスピーカって、どない?.
¥980のスピーカーにも内臓されてる。
980円でスピーカーになるICに500円を出すのは妥当なのかと迷いながらも、玄人志向のAUDIOJACK-USBはCM102-A+を使用し、値段に比してなかなかの音だと評判なのでとにかくもこのICに決定。
CM102-A+データシート(C-Media) ←pdf 粗くて評価回路が読めない
CM102-A評価回路 ←pdf
その他の部品は、あり合わせの部品を使うことに。
構想
回路は評価回路とほとんど同じ。
USBバスパワーを平滑して高音質を狙う。
また、大事だと思われるところはなるべくオーディオグレードの部品を使用。
S/P DIF周りを少し凝ってみた。
74HCU04でバッファとし、パルストランスとして使えるようにトロイダルコアを適当に巻きなおした。
75Ωで同軸ケーブルにインピーダンスマッチングをとってある。
なかなか本格的なデジタル出力だ。
しかし、デジタル出力する予定は今のところ全くない。
この辺りも、オーディオ好きでなければ理解しがたい事の一つだろう。
2007/6/20 追記
何通か質問を頂いた点を補足。
・水晶発信器とCM102-A+との間の抵抗は10〜300Ωです。
ダンピング抵抗(damping resistor)と呼ばれ、高周波の反射を防ぐ役割で入れている。
USBDP、USBDNの22Ωもダンピング抵抗。
・水晶発信器を使用しているが、XTL_OUTとXTL_INで水晶発信子を使用することも可能。
水晶発信器の方が精度の高いようです。
・CM102-A+の出力にある0.022uFと22Ωは、PCM2704の評価回路の出力にもあったので入れてみた。
質問を下さった方にはLPFだとお答えしたが、インピーダンスマッチングとも考えられる気がしてきた。
分かる方、是非教えてください。
とりあえず部品を載せてみる。
なかなかコンパクトに収まった。
USB DACの重要な役割を果たすクリスタルオシレータは、秋月電子で100円で手に入ったもの。
安価ながらも、温度特性が±30ppmとなかなか高精度。
見た目も良いし、価格以上を期待してしまう。
それにしてもMUSE KZは100uFなのにデカい。
小さい部品を使い、パルストランスを省略すればかなり小さくできそうだ。
製作
回路を実際に組んでみた。
(USBコネクタに指紋がついていて気になっていたので写真を差し替えました)
デジタル出力が幅をとってている。
ケースはタカチのアルミケースTD-7-10-3。
赤白:アナログ出力
黄:出番が来ないデジタル同軸出力
もうアルミ加工もお手の物だ。
シャーシリーマーと金ヤスリがあれば楽ちんだ。
感想
総工費は3千円に満たないだろうか。
この値段にしてはなかなか良い。
MDコンポに繋いで聞く分には十分だ。
しかし、中域〜広域にかけては音が篭る。
NOS DACと聞き比べると少し聞き劣りしてしまう。
低音がすごい。
CM102-Aの特徴なのだろうか。
低音が炸裂して、にぎやかだ。
同軸経由でデジタル入力を持つDACを持ち合わせていないので、気になるデジタル出力の実力は未だ測りかねない。
追記
NOS DAC (TDA1543 + CS8414)を作ったので、ついにこいつの同軸出力の実力を測る機を得た。
音が密で素晴らしい。
CM102-A+のデジタル出力は48kHz固定だが、SoundBlaster Digital Music LX改の光出力に比べ、音が密だ。
同じデジタル信号なのに不思議。
考察:
デジタル信号は矩形波で伝送されるが、完全な矩形波を作ることは難しい。
パルスの立ちが鈍ったりオーバーシュートしたりしてしまう。
そのため、同じデータでもレシーバのクロックのタイミングにより0と判別するか1と判別するかきわどいところが出てくるのだろう。
伝送時にノイズが混入したり、電圧→光→電圧の変換過程でその鈍りが大きくなってしまうとその判別も異なってくる。
それ故に同じデジタル信号でも音が変わってくるのだろうか。
NOS DACに繋いで同軸出力しているところ
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