はじめに
TA2020-20というICを使うと、簡単にパワーアンプが作れるらしい。
アンプが欲しかったので作ってみることにした。
レゲエが好きなので、レゲエに合う低音ズドンズドンなアンプを作りたい。
カマデンからTA2020KITというキットが出ているので、これを使うとお手軽に作れるらしい。
そして、そのキットのコンデンサーやコイルを交換するとさらにパワーアップするらしい。
後から交換することを思うと、キットを使わずに、初めからグレートな部品を使ってユニバーサル基盤上に回路を作る方が安いだろうと考え、キットは購入しなかった。
オーディオの知識は皆無に近いので、部品を購入する上で、「TA2020 低音」や「TA2020 コンデンサー」などとGoogleに打ちこんで先人の知恵をお借りした。
材料
アンプ部
品物 | 型番(メーカー) | 値段 | 購入店 | |
---|---|---|---|---|
#1 | デジタルアンプIC | TA2020-20(Tripath) | ¥1,890 | 若松通商(ネット) |
#2 | 整流用ショットキーダイオード×8 | 1S4 41V 1A | ¥25×8 | 秋月電子(ネット) |
#3 | 抵抗(10Ω)×2 | 1/2W 金属皮膜プレート±1% (ニッコーム) | ¥42×2 | 若松通商(ネット) |
#4 | 抵抗(20kΩ)×4 | 1/2W 金属皮膜プレート±1% (ニッコーム) | ¥42×4 | 若松通商(ネット) |
#5 | 抵抗(8.2kΩ) | 1/2W 金属皮膜±1% | ¥31 | マルツパーツ館 |
#6 | コンデンサ(0.01μF)×2 | MKT1826 メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー (ERO) | ¥126×2 | 若松通商(ネット) |
#7 | コンデンサ(0.1μF)×8 | MMD2E104N メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー (日通工) | ¥42×8 | シリコンハウス共立 |
#8 | コンデンサ(0.22μF)×2 | MKT1826 メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー (ERO) | ¥210×2 | 若松通商(ネット) |
#9 | コンデンサ(0.33μF)×4 | BG-PK 電解コンデンサー (ブラックゲート) | ¥31×4 | 若松通商(ネット) |
#10 | コンデンサ(1μF)×2 | MMD2E105N メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー (日通工) | ¥42×2 | シリコンハウス共立 |
#11 | コンデンサ(2.2μF)×2 | BG-C 50WV 純低雑音カップリング電解コンデンサー (ブラックゲート) | ¥94×2 | 若松通商(ネット) |
#12 | コンデンサ(3300μF)×4 | KMG 105℃品 (日本ケミコン) | ¥100(4コで) | 秋月電子(ネット) |
#13 | コイル(10μH)×4 | TA2020KIT-SP付属防磁ケース入りコイル | ¥840.(4コで) | SUPER COM(ネット) |
#14 | ユニバーサル基盤 | 片面ガラスエポキシ 72×47mm | ¥60 | 秋月電子(ネット) |
#15 | 配線 | SONY ミニコンポ DHC-MD333 付属スピーカーケーブル | – | 自宅にあった |
#1 TA2020-20 トライパス社のデジタルアンプIC。恐るべし高効率85%(スピーカー6Ωにて)、環境にやさしいアンプだ。このICに複雑な信号増幅回路が集約されているので、ちょいちょいと回路を組めば簡単にパワーアンプが作れる。20W+20Wなので、ミニコンポの2wayスピーカーに繋ぐには十分すぎるパワーだろう。音が良いと好評らしいので楽しみ。 | #2 1S4 整流用ショットキーダイオード。耐圧40V、1A、立ち上がり電圧VF = 約0.4〜0.5V。OUTPUTの電圧がGND以下にVDD以上にならないようにするクリップ用なので、立ち上がり電圧VFの低いものを選んだ。GND、VDDに近い電圧にクリップできるだろう。 | #3 ニッコーム10Ω Zobel networkを形成する抵抗。Zobel networkについてはスピーカー関連の技術資料のサイトで分かりやすく解説されてます。 普通の金属皮膜でも良かったのだが、ちょっとこだわってプレート抵抗にしてみた。プレート抵抗も金属皮膜ですが、金属皮膜とカーボン抵抗の中間的な音がするらしい。 |
#4 ニッコーム20kΩ 帰還回路のゲインを決定する抵抗に利用する。信号に対して直列に入る抵抗なので、この抵抗たちは音に起因するところ大のようだ。ここにもなんちゃってプレート抵抗を使用してみる。 | #5 金属皮膜抵抗8.2kΩ バイアス用の抵抗らしい。何故ここだけ金属皮膜にしたのかは作者も謎である。ただニッコームを買い忘れたというわけでは決して…。 | #6 MKT1826 0.01μF EROのオーディオ用メタライドポリエステルフイルムコンデンサー。OUTPUTにパラで接続して、スピーカー(への?)から入るノイズの高周波成分を除去するためにつけるらしい。Differencial Output Capacitorという名前らしいが、詳しいことは分かりません。 |
#7 MMD2E104N 0.1μF パスコンに用いる。全部で8個も使用するので、なるべく安いフィルムコンデンサーを選んだ。どんな音がするのかは未知だが、オーディオ用メタライドポリエステルフイルムコンデンサーということなので、良い音がしそうな気がする。因みに、パスコンにはフィルムよりもセラミックコンの方が向いているらしいがこの際良しとしよう。 | #8 MKT1826 0.22μF Zobel networkを形成するコンデンサー、EROのオーディオ用メタライドポリエステルフイルムコンデンサー。このシリーズはなかなか定評があるらしい。 | #9 BG-PK 0.33μF 出力キャパシタ。スピーカーのインピーダンスにより容量を変えるのが良いらしい。(インピーダンス整合を取るためか) 4Ω→0.47μF 8Ω→0.22μF とトライパスのデータシートにある。私のスピーカーは6Ωということで、間を取って0.33μFくらいだろう。 低音ズドンズドンが好きなので、低音が鳴ると悪名高いブラックゲートにしてみる。 |
#10 MMD2E105N 1μF チャージポンプ(charge pump)の出力につけるデカップリングコンデンサ。このチャージポンプによりごくわずかなVDD以上の電圧が出ているらしいのだが、何故ここにチャージポンプが必要なのか見当もつかない。とりあえず安く買えたオーディオ用メタライドポリエステルフイルムコンデンサーにしておこう。 | #11 BG-C 2.2μF 入力のカップリングコンデンサー。このコンデンサーは音に大きく起因するらしい。やはり低音ズドンズドンにするためブラックゲートにしてみる。このBLACK GATEは超低雑音カップリング用らしい。 | #12 KMG 3300μF 破格の4本100円で買えたコンデンサー。何故これにしたかというと、安かったからとしか言いようが無い。スイッチング電源のリップル除去用電源平滑コンデンサーなので、できれば低インピーダンスのものが良かったのだが…。 4本全てを使うと容量が13200μFと恐ろしく大きくなって突入電流が恐いので、3本くらいにしておこう。 |
#13 コイル 10μH TA2020KIT-SP付属防磁ケース入りコイル。トロイダルコアにエナメル線を巻いて自作するつもりだったのだが、インダクタンスを測定する環境に無いことに気付き、しぶしぶ購入。防磁ケースに入っているが、念のためコイルがなるべく相互に結合しないよう、基盤に間隔をあけて設置してみる。 | #14 ユニバーサル基盤 片面ガラスエポキシということで割れにくいらしい。なかなか見た目も良い。サイズは72×47mmと小さめ。このくらいの大きさならいけるだろうという適当な予測は的中するのだろうか。 | #15 配線 SONY ミニコンポ DHC-MD333 付属のスピーカーケーブル。スピーカーケーブルということで配線に使う分には悪くないだろう。太さは恐らく18芯。 |
ケース・電源・配線
品物 | 型番(メーカー) | 値段 | 購入店 | |
---|---|---|---|---|
#1 | スイッチングACアダプター(12V、5A) | STD-1205(GO FORWARD) | ¥1,700 | 秋月電子(ネット) |
#2 | 電源DCジャック | MJ-10 (マル信無線電機 ) | ¥30 | 秋月電子(ネット) |
#3 | 可変抵抗(10kΩ2連A型) | RK27112(アルプス ミニデテント) | ¥1,890 | 若松通商(ネット) |
#4 | トグルスイッチ | MS-500K-B (ミヤマ電器 ) | ¥147 | マルツパーツ館 |
#5 | ヒートシンク | 17P23L25 | ¥105 | 若松通商(ネット) |
#6 | ブラケットLED(12V) | CTL701R (三成電器) | ¥168 | マルツパーツ館 |
#7 | ツマミ | WT-37 | ¥262 | 若松通商(ネット) |
#8 | RCAプラグ×2 | RJ-2008AT | ¥120×2 | 秋月電子(ネット) |
#9 | スピーカー端子×2 | BP-226G赤黒セット | ¥451×2 | 若松通商(ネット) |
#10 | 配線 | スピーカーケーブル30芯 2m(ダイエイ電線) | ¥188 | 若松通商(ネット) |
#11 | フェライトコア | 5mm径タイプ (TDK) | ¥100 | 秋月電子(ネット) |
#12 | ケース | UC9-5-12DD (タカチ電機) | ¥1,610 | 部品屋ドットコム(ネット) |
#1 スイッチング電源 20W+20Wの駆動力があるアンプなので、そこそこ容量のある電源を探していたら、秋月電子で格安で売っているのを発見。12V 5AのスイッチングACアダプターだ。これだけのものがこの値段で売っているのは何か裏がありそうだが、気にせず使ってみる。出力にはフェライトコア付き。電源を外に出せるのでアンプ本体を小さくできるし、電源が発するノイズ対策にもなりそうな気がする。 | #2 電源DCジャック 3本端子があり、どの端子がプラスでマイナスなのかよく分かりませんが、適当にケースに設置することにしよう。テスターで判別したいところだけどテスターのヒューズが飛びそうで恐い(電圧計は入力インピーダンスが大だから大丈夫だったかな…)。 | #3 可変抵抗 音質に定評のあるアルプスのミニデテント。とても高価だが、ここはケチってはいけないらしい。素晴らしい音の鳴るアンプにするため、おこづかいをはたいて購入。シャフトを回すとクリック感があって高級感があり嬉しい。シャフトが長すぎるので金ノコで切らなければならない。 |
#4 スイッチ 一般的なトグルスイッチ。たくさん足があると、どの足がどの足につながっているのかややこしいので2本足のものにした。 | #5 ヒートシンク TA2020-20はあまり発熱しないらしいが、一応つけておくことにする。なんかちょっとかっこいいし。 | #6 ブラケットLED 抵抗入り12V用ブランケットLED。電源ONであることを光って知らせてくれるようにするため購入。緑にすれば良かったと今になって少し後悔。 |
#7 ツマミ ゴールド加工のアルミ製ツマミ。小さな傷があるらしく、アウトレット価格で購入できた。シャフトをとめるネジは六角レンチ1.5mmで調節できる。 | #8 RCAプラグ 金メッキがちょっとうれしい。適当に安いものにした。”高級品”と書いてあったので大丈夫だろう。 | #9 スピーカー端子 金ぴかのかっこいいものにした。見た目を重視したので、ちょっと高くついた。 |
#10 配線 ダイエイ電線の30芯平行線スピーカーケーブルだ。各端子とアンプを繋ぐ配線に使用する予定。 | #11 フェライトコア 平滑コンデンサーの後段に付けて高周波ノイズ除去しようという狙いで購入。ACアダプターにフェライトコアが付いているものだったのでいらなかった気がしなくも無い。 | #12 ケース トライパス D級アンプの方が使っておられるケースがかっこよかったので、真似させてもらった。W9cm、H5cm、D12cmというパスポートサイズ。電源を外付けするからこそ成せる小ささだ。 |
アンプ部の製作
アンプの回路はほとんどトライパス社のデータシート通りにした。
http://www.kafka.elektroda.eu/pdf/tripath/TA2020.pdf (←Tripath社データシート)
変更点は、Output Capacitorの容量を6Ωスピーカー用に0.33μFにしたことと、MUTEとSLEEPをGNDに落としてあることくらい。
とりあえず基盤に部品を乗せてみた。
ギリギリで全ての部品を乗せることができた。
基盤のサイズはぴったりだ。
TA2020-20はそのままではユニバーサル基盤には入らない。
そこで、奇数番号の足をペンチで慎重に折り曲げて基盤に刺さるようにした。
実際に配線…(3時間くらい)
前面
背面
側面
裏面
あちゃー。
配線ぐちゃぐちゃになってしまった。
ICは32pinあり、密集しているので配線が難しい。
それにしても基盤を小さいものにしたのは失敗。
部品が密集しているのでハンダ付けがとてもやりにくい。
ケースの製作
最初は木でケースを作ったのだが、ニス塗りに失敗し、小学生の自由研究という感じが否めなかったのでかっこいいアルミのケースにすることにした。
アルミの加工は初めてだ。
えんぴつで印をつけて、ビンバイスで穴を開けた。
ビンバイスはその昔、ミニ四駆の肉抜き用に買ったTAMIYAのものだ。
こんなところで役に立つとは。
電動ドリルがなくても、ビンバイスで十分だ。(たくさん穴をあけるにはしんどいが…)
案外簡単に穴が開く。
えんぴつで印をつけたところにドライバー等で傷をつけておくと、ドリルの先がずれないので穴を開け易い。
必要な穴が開いたところで、次は各端子が入るように穴を広げなければならない。
そこで、ホームセンターで”シャーシリーマー”というものを買ってきた。(上部写真の左側がリーマー)
1,000円くらい。
これでぐりぐり穴を広げる。
ものの2分くらいで1つの穴を必要な広さに広げることができた。
残ったバリはやすりで取った。
電源DCジャック用の穴の大きさは、シャーシリーマーの許容範囲を超えていたのでリーマーで広げれるところまで広げてから、やすりで穴を広げた。
ケースの加工が一応できた。
2時間くらいで完成した。
アルミは思っていたより柔らかく、加工がけっこう簡単だった。
続いて、可変抵抗のミニデテントのシャフトが長すぎたので、金ノコで切断。
このシャフトもアルミなので簡単に切れた。
金ノコは何故か彼女が持っていたのでそれをお借りした。
(いったい何を切っているのやら…。)
百円均一にも金ノコは売られている。
ケースへの組み込み、配線
ケースに部品を置いてみた。
ピッタリだ。
ヒートシンクやフェライトコアはスペースの関係上、設置は断念。
各部品への配線は簡略回路図をどうぞ。
(ミニデテントは帰還抵抗のところに配線している)
実際に配線。
ケースを閉じてみる。
こだわった金メッキスピーカー端子がいい感じ。
さて音は出るのだろうか。
これで音が出なければ、ただの”お金のかかる箱”だ。
低音を云々言っている場合ではない。
スピーカー、サウンドカード、電源に繋いでスイッチON。
LEDブランケットが赤く光った!
しかしウンともスンとも言わない。
ただの箱だ…。
調子に乗ってユニバーサル基盤に作ったのが間違いだったか。
もう一度配線を確認してみることに。
配線がぐちゃぐちゃなので配線チェックがとても面倒だ。
苦難のチェックの結果、5Vを供給する2pin、8pin、30pinを接続していないことに気が付いた。
あわてて修正。
今度こそと胸を躍らせて、もう一度挑戦。
スイッチON!
ウンともスンとも言わないではないか。
またしても…。
今度は電源ONの状態で、テスターを用いて、各端子の電圧をチェックしてみた。
AGNDにテスターのマイナス端子を置き、各端子、ICの足の電圧をチェックしていった。
VDD → 12VなのでOK
VDD5V → 5VくらいなのでOK
INPUT → 3Vくらい(合っているのか間違ってるのかよく分からん)
OUTPUT → 7Vくらい(合っているのか間違ってるのかよく分からん)
DGND → 3Vくらい… これはNGか!?
AGNDとDGNDが3Vも差があると正しく増幅できないのではないかと考え、AGNDとDGNDを接続してみることに。
ザ、ザザザ → ♪♪♪
ついに音が鳴った!!
感動の瞬間。
透き通ったきれいな音たちが流れ出す。
音が鳴って本当に良かった。
涙が出そうになった。
ANGDとDGNDは接続しなければならないみたいだ。
音を聴いてみる
音楽を聴く環境は貧しいものだ。
TA2020-20が泣いてしまう環境かもしれない。
foobar2000 (foo_mpg123.dll) or TV
↓
USBサウンドカード(Sound Blaster Digital Music LX)
↓
RCAケーブル0.5m(AT5A64)
↓
TA2020デジタルアンプ
↓
スピーカーケーブル0.3m(ダイエイ電線 赤黒50芯/平行線)
↓
ミニコンポ(SONY DHC-MD333)の2wayスピーカー
TA2020の以前は、アンプとして9年という長い付き合いのミニコンポ(DHC-MD333)をSound Blaster Digital Music
LXと光接続して使っていた。
比較対照はこの2つの環境。
TA2020デジタルアンプにした結果は
高音域 | 以前の篭っていた音が、とても澄んだ音になった。シンバル等の音もシャリシャリ言わず、鈴の音が涼しくて綺麗。女性ボーカルの声が少し乾燥しているように聞こえる。 クリアになって格段にパワーアップした。 |
中音域 | ボーカルの声が前面に張り出しているような感じがする。カマボコ様式だ。 |
低音域 | ズドンズドン。低音に最も期待していたが、期待通り強い低音を鳴らしてくれている。太鼓の音がリアルで良い。迫力がある。 |
全体として | クリアな感じがする。各楽器の音を聞き分けることができるようになった。解像度が高いとはこのことを言うのだろうか。デジタルアンプはそっけない音だと思っていたが、思っていたより味がある。音の太さは細くもなく太くもない。 |
その後
●ボリューム位置の変更
ボリュームの調節がちょっとやりにくい。 ボリュームを絞っても音が大きすぎるし、小さな音量の微調整が効かない。そこで、ボリュームの位置を変更してみた。 これまでは入力抵抗に直列に接続していたが、帰還抵抗である20kΩのニッコームを取り除き、ここにミニデテントを入れてみることにした。帰還部にVRを入れると、ガリオームが生じたときにゲインが無限大になって危険だが、ミニデテントの端子(3)を端子(2)に繋ぐことで、ガリオームが生じてもゲインが最大1/2になるようにしてある。 (ガリオームとは、接触不良により、VRの抵抗値が無限大になってしまう現象のこと)入力抵抗に直列でミニデテントを入れると、音が篭ってしまうらしいが、この配線方法ならその心配もない。実際、音が少しクリアになった気がする。 |
●スピーカー出力端子への配線に圧着端子を使用
スピーカー端子の金メッキにハンダがなかなかつかなかったので、ネジで銅線をはさんで繋いでいたのだが、なんだか少し気持ちが悪かったので、精神衛生のため圧着端子を使用してみることにした。 こんな感じ。たくさん入って62円だった。 金メッキのものが良かったのだが、金メッキのものは600円と高額で手が出なかったので、これで我慢することにした。 これは銀メッキかな?はんだメッキである気がしなくもない。 こんな感じになった。買うものを間違えて、スピーカー出力端子に圧着端子の穴が入らなかったので、またしてもシャーシリーマーが登場して穴を広げてくれた。これは非常に音が変化した。 女性ボーカルの乾燥した感じだった声が色っぽくなり、低音の迫力が増したような。 その代わり、少しシンバル等がシャリつくようになり、全体的に音量が小さくなり、篭った安っぽい感じになってしまった。個人的に、変更前の方が良かった。 圧着端子を用いず、直接スピーカー端子にハンダした方が良いみたいだ。 |
そこで…↓
●スピーカー端子に直接ハンダ付けしてみる
こっちの方が圧着端子より格段にボリュームも大きいし、解像度も高い。 |
●GNDをケースに落としてみる
GNDはしっかりしている方が低音が出るらしい。 せっかく買った圧着端子とダイエイ電線の出番だ。 ユニバーサル基盤をケースに固定しているネジに圧着端子をはさんで、ネジからケースにGNDが渡るようにした。 気持ち程度低音がズドンとくるようになった気がする。 |
●電源平滑コンデンサーをMUSE FX 3300μF/16V × 3に変更
安さがピカイチのKMG 3300μFにさよならを告げる時が来た。 あちゃー、相変わらず配線は無茶苦茶だ。 しかし音の変化に驚いた。 これは交換して正解だ。 |
●スピーカー変更によるアンプの調節
長年連れ添ったミニコンポに別れを告げる時がきた。 FOSTEXの12cmスピーカーユニットFE-127Eを使った自作バスレフスピーカーが完成した。 それに伴いこのスピーカーのインピーダンスは8Ωのため、出力コンデンサ4つをBG-PK 0.33μF (6Ω仕様) ↓ BG-PK 0.22μF (8Ω仕様)へと変更した。スピーカーもアンプも自作のものという、自己満足たっぷり環境だ。 この世に一つしかないアンプにスピーカーなので、それらが奏でる音も唯一無二だ。 そんなことを考えながら音楽を聴くのはとても贅沢な気分だ。 |
●DCオフセットの調節
アンプの電源投入時や、PCの電源投入時にポツポッとPOPノイズが出る。 どうやらDCオフセットの対策がきちんとできていないからのようだ。TA2024Cのデータシートの11ページ目に、オフセット調節回路が載っているのを見つけたので、TA2020にこれを行ってみることにした。 (回路が間違っていました、ご指摘感謝です。2007/4/25修正)微調整用の可変抵抗には、5kΩの多回転式ポテンショメーターを用いることにした。 本来は50kΩくらいのポテンショメーターの方が調節し易い。
TA2024Cの回路図通りに組んでみた。 ポテンショメーターの値を変えても、抵抗を挿入してみても 左のDCオフセットが70mVもあるので、当然POPノイズは除去できていない。 +5Vを抵抗で分圧して調節できるはずなんだけどなぁ。 後日追記: しかし、まだ電源ON-OFF時に小さなPOPノイズが出る。 しかし、DC OFFSETを0に合わせることができると、非常に音が良くなる。 その後
DCオフセットの調節が上手くいってPOPノイズを除去できた方がいらっしゃったら、是非情報を下さい。 |
●POPノイズ除去用リレー回路
DCオフセットを0V付近に合わせてもPOPノイズは取り去りきれなかった。 どうやら、電源ON-OFF時の過渡状態に起因してPOP音は鳴るようだ。 そこで、遅延リレーにより電源電圧がある程度安定してからアンプの出力をスピーカーに繋ぐことにした。以下のサイトを参考にした。 緑のボタンを押せ! Press the green button 〜かなり莫迦オヤジのメディアPC〜 トランジスタのスイッチング回路 CR回路応答(時間領域編その1)トランジスタのスイッチングを利用した遅延リレー回路だ。
遅延時間 t は以下のように求めた。 実際、スイッチを入れてからリレーがONになるまでおよそ4秒かかっているので、自信はないがこの計算で間違ってはいないようだ。 しかし、注意が必要だ。 ただ、手元に5kΩくらいの抵抗がなかったので、手元にあった10kΩを使うことにした。 2回路2接点リレーG5V-2 DC12V 283円/個 オムロン 2SC1815 GR 21円/個 実際に部品を並べるとこんな感じ。 1000uFのコンデンサには、低ESRの105℃品を用いた。 結果 ・電源ON時のボコっというPOP音はほとんど聞こえなくなった ←大成功 電源ONのPOP音はこれで対策できる。 その後、回路シミュレータの”LTspice/SWitcherCAD III”でシミュレーションしてみた。 10.1Vのツェナーダイオードspiceモデルが見当たらなかったので、9Vにしている。 ほぼ4秒でリレーがONになっている。 |
●5V電圧の安定化
12Vの供給電圧はきちんと平滑コンデンサでリプルやノイズ対策をしてきた。 しかし、5Vの供給電圧に対しては一切対策を講じていないことに気付いた。TA2020-20はIC内部にレギュレータを持っており、そのレギュレータからの出力である5Vが30pinから出ている。 この5Vをもらっているのが2pinと8pinだ。 2pin:V5D(デジタル5V入力) 8pin:A5D(アナログ5V入力)この5Vにより、さまざまな部位に電源電圧が供給されている。 この5Vが揺らいでしまってはいけない。上図のように、デカップリングコンデンサC1,C2を2pin-3pin間、8pin-7pin間に挿入する。 値は、数100μF程度のオーディオグレードのコンデンサが良いようだ。 もっと大容量のものを挿入しても良いように思う。このデカップリングコンデンサで、5V GENで生成された5Vの揺らぎを抑えることをできる。 並列で入っている0.1μFのコンデンサは、ICから出る高周波ノイズを吸収するために取り付けてある。
音の変化 低音の迫力に驚いた。 その後… 外部スイッチングレギュレータによる5V供給 5Vのスイッチングレギュレータが良い具合に一つ余っていたので、5VをTA2020-20のICからの供給ではなく、外部から供給してみることにした。
この出力をTA2020-20の30pin VGENの代わりに2pin、8pinに供給する。 もはやレギュレータ用のヒートシンクを設置するスペースがなかったので、ケースをヒートシンクとして使用することにした。 もうぎりぎりの配線。 レギュレータの出力には3300uFのMUSE FineGoldで平滑している。 レギュレータによる音の変化 笑ってしまうくらいに良くなった。 |
●レタリング
スイッチのON/OFFがどっちがどっちなのか分かりにくかったので、レタリングを入れることにした。 若松通商で200円くらいでレタリングシートを手に入れ、該当する文字を擦り付けた。調子に乗って裏側までレタリングしてみた。 押し付けて擦るだけなのでとても簡単だ。まるで市販品のように仕上がった。(と思っている)ACアダプタの入力は「ac」ではなく「dc」だなぁ、と写真を撮って初めて気が付いた。 |
一応完成
ライターと比べるとこのようになる。
びっくりするくらい小さい。
20W+20Wのパワーアンプとは思えない。
この大きさでも、満足すぎるほどの音を奏でてくれているし、1万円ちょっとのコストでつくることができた。
すごいコストパフォーマンス、スペースパフォーマンスだ。
因みに、このICは10万円のアンプにも劣らないと言われているらしい。
また、わざわざユニバーサル基盤に作らなくても、カマデンが出しているTA2020KITというキットを使うともっと簡単にできるようだ。
でも、ユニバーサル基盤に作った方が安上がりだし、愛着が湧くかな。
いまは、この自作バスレフスピーカーにつないで、大満足なオーディオ環境になっている。
このページを見てくれた方が興味を持ってくれたら嬉しい。
というのも、
アンプを作る人が増える ↓ 電子部品を買う人が増える ↓ 電子部品の市場が賑わう ↓ 新たな部品が次々に発表され、各部品は安価になる ↓ 私が安価で部品を購入できる |
という矢印がどんどん下へ進むであろうからだ。
なんという利己主義。
●お役立ちリンク
若松通商 | TA2020KITも、コンデンサーやケースなどたくさんの部品を揃えることができる。送料もなかなか安め。 |
秋月電子 | 格安で部品を売っている。特にスイッチング電源が格安。ここで欲しい部品があれば安く抑えることができる。送料と代引き手数料が少し高め。 |
SUPER COM | オーディオ関連商品のところにTA2020KITなど、オーディオ部品が売られている。ここでは、TA2020KIT-SPの防磁コイルが手に入る。送料もなかなか安め。 |
部品屋ドットコム | さまざまな電子部品が売られている。ここではタカチ電機のケースがほとんど全て揃っている。送料は普通。 |
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