MINIBOSS I2S DAC
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Raspberry Pi の I2S インターフェースを使うことで、クロックジッタを低減して、Hi-Fi DACが構築できると人気が出ている。
安価ながら、かなり高音質を実現できるらしい。
自作オーディオ好きとしては、そう聞くと身体が疼いてしかたがなかった。
精神衛生のために購入することにした。(後悔はしてない)
Raspberry Pi の Hi-Fi DAC は多くの種類が出ている。
各々の特徴の比較は、こちらのエントリーを見て欲しい。
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色々と悩んだ結果、ALLO の MINIBOSS I2S DAC を購入することにした。
MINIBOSS I2S DAC を購入
ALLO の公式HPから購入した。
$39.00 だった。
(英語での決済だが、Amazonでモノを買うのと同じくらい簡単に完了した)
インドから国際郵便で発送され、↓のように約1週間で届いた。
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MINIBOSS I2S DAC の特徴
このような、少しおしゃれなパッケージで届いた。
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ここで、MINIBOSS の特徴を書いておこう。
・DAC IC:PCM5122
・32bit 384kHz対応
・水晶発振器2つ搭載のマスタークロックモード(45/49MHz)
・高精度で有名な日本製NDKの水晶発振器を採用
・アナログ部、デジタル部、クロック生成部に、電源はLDO(Low-DropOut)レギュレータを利用し高周波ノイズを低減
・特に、DAC ICのPCM5122には単独の電源供給を行うことにより極力までノイズを除去
という、高音質が期待できるDACだ。
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部品数はかなり少ない。
表面実装のコンデンサ等が使われている。
背面には、電源を安定させるために、比較的大きめの電解コンデンサが搭載されている。
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さて、さっそく音出しをしてみたいと思う。
Raspberry Pi Zero W に40pinをはんだ付け
今回は、小型化にこだわり、Raspberry Pi Zero W を使うことにした。
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こんな小さなハードに、Linuxが動作するのだから驚くべき技術革新だ。
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Raspberry Pi Zero シリーズは、I2S インターフェースを搭載している GPIOピンを使うためには、はんだ付けが必要になる。
Amazon で 40pin のオス を購入した。(ついでに、mini HDMI と mini USBのアダプタも付属する)
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はんだ付けが完了すれば、いよいよ Raspberry Pi Zero W に OS をインストールする。
Volumio をインストール
今回は、Raspberry Pi Zero W を完全なミュージックサーバにするため、音楽専用のOSである Volumio2 を導入することにした。
実施した手順は以下のとおり。
1)Volumio2 のインストールファイルをダウンロード
2)Mac OS X から、dd コマンドを使って micro SDカードにインストールファイルを焼く
3)micro SD をRaspberry Pi Zero W に挿して、Volumio2 を起動
4)Volumio2 が起動すると、以下のWi-Fi (Hotspotモード)を吹いているので、これに接続
(SSID: Volumio /パスワード: volumio2 (デフォルト))
5)http://192.168.211.1/ で接続
6)DACデバイスを問われるので、「ALLO BOSS DAC」を選択する
あとは、NAS等に入っている音楽ファイルや、Spotify 等から音を出してみる。
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AirPlay にも対応しており、iPhone等のApple系端末から、AirPlayによる再生も可能だ。
音の評価
比較対象は、TDA1543とCS8414で作った自作DACだ。
かなり古い石だが、オーバーサンプリングをしない原音に忠実な再生ができるもので、温かい音色で気に入っている。
MINIBOSS I2S DAC | 自作NOS DAC(TDA1543+CS8414) | |
音の印象 | 解像度が高く、クリアではっきりとした音だ。 立体的で迫力がある。 音の密度が濃い印象。 | 暖かい落ち着いた音。ギターやピアノの音が生々しい。 聴いていて疲れない。 |
正直、MINIBOSS I2S DAC はかなりの高音質でビックリした。
こんなに安く、小さいのに!
コンデンサ等も、表面実装の部品が使われており、高級オーディオ品という感じでもないのにだ。
特筆すべきは解像感で、はっきりとクリアで立体的な音が特徴的だ。
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電源周りを改造して高音質化
BOSS DAC も、MINIBOSS DAC も、Raspberry Pi から GPIO 経由で共有される 5V 電源に対して、電源電圧を安定化させるために、平滑コンデンサとして、大容量の電解コンデンサを抱いている。
なんと、0.33F という大容量の電解コンデンサが付いている。
容量としては、申し分ない(むしろ過剰なくらい)が、いかんせん安物の電解コンデンサのため、高周波特性が良くない。
理想的なコンデンサは、高周波に対してインピーダンスがゼロになることが望ましいが、安物の電解コンデンサは、高周波ノイズに対するインピーダンスが高めだ。
そのため、電源ラインから入ってくる高周波ノイズを除去しずらく、また、オペアンプ等のパワーのいるICを駆動する際に、立ち上がりが遅くなってしまう。
そこで、電源ラインの電解コンデンサにパラレル(並列)で、高周波特性の良いフィルムコンデンサを付けることにした。
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このような感じで、電解コンデンサをまたがるように、フィルムコンデンサを設置した。
フィルムコンデンサの容量は数pF〜数ufまで様々あるが、どの容量を導入しても問題ない。
改造の効果
・音が澄んだ(特に高音域の曇りが無くなり、綺羅びやかな音になった)
・低音が増した(特に、低音のスピード感が増した)
たった20円でできる改造なのでおすすめだ。
なにより、コンデンサを付け足すだけだが、世界で一つだけのオリジナルのDACが完成するので、自己満足感も確実に増す。
コメント
[…] volumioのインストールはこちらのページで紹介されているDACをそのまま買って組んでSDカード焼くだけでめっちゃ簡単でした! でもvolumioはブラウザから操作することを考えて作られてい […]