ギア比を変更したい
私が住んでいるところは、全くと言ってよいほどに坂が無い。平地に住んでいる。
会社までの通勤に自転車を使っているのだが、全く坂がなく平坦な経路だ。
試しに、自転車トラッキングアプリ(Strava)を使用してログを取ってみたが、5km走行して、高低差は僅か3mだった。
通勤で走っていると、すぐにトップスピードになってしまい、ペダルを高速に漕いでも、たいしたスピードが出ない。
だいたい時速20kmくらいのスピードを出すと、脚は超高速に回転している感じだ。
これはこれで、小学生に戻った気持ちで楽しいのだが、周りから見ると危ない人に見えるだろうから、なんとか改善しようと思い至った訳である。
ギア比に関する考察
ちなみに、現在のチェーンリング(フロント側のギア)の歯数は「46T」、スプロケット(リア側のギア)の歯数は「16T」だ。
従って、ギア比は 2.875 (= 46T / 16T) である。
このギア比は、至ってノーマルな推奨値である。
完成車で購入したピストバイクのデフォルトのチェーンリングとスプロケットを使用しているため、そりゃー無難なギア比になっているはずだ。
このブログを読みに来てくださる人には、釈迦に説法だと思いますが、ギア比とは、ペダルを1回展すると、タイヤが何回転するか?という数値のことだ。
ちなみに、46Tの「T」は teeth = 歯 の意味だ。
チェーンリングは、こういう↓アルミ合金のメーカー名不明のものを使ってきた。
ピストバイクっぽく厚歯で、黒くて、無難という感じ。
歯数は 46T 。
スプロケット(コグ)は、dnp. long yihの歯数16Tだ。
固定コグとフリーコグと両方ついているが、街乗りなので私はフリーコグ派。
それでは、このあたりで、オススメのギア比について紹介しておこうと思う。
ソースは私がWebを徘徊してGETした情報からだ。
トリックをするか、街乗り用途か、スピード用途かに依って、推奨のギア比は異なる。
用途 | 推奨ギア比 |
トリック用 | 2.0〜2.5くらい |
街乗り | 2.7〜3.0くらい |
トラックレース | 3.5〜4.0くらい (競輪は4.0以下の規定があるらしい) |
[参考] ママチャリ | 2.21が多い (31T / 14T) |
ちなみに、私は「街乗り」用途で、現在は「ギア比=2.875」なので、ガッツリ推奨圏内だ。
だがしかし、推奨圏内であるにも関わらず、不満がある訳である。
つまり、推奨ギア比を鵜呑みにしてはいけないのである。
推奨ギア比はあくまで参考値。
推奨ギア比を鵜呑みにしてはいけないのである。
ちなみに、ピストを固定コグで乗っている人で、かつ、スキッドをする人は、スキッドポイントを考慮しないといけない。
スキッドポイントが「1」だと、ペダルを漕ぐ位置と、タイヤの位置が一致してしまうので、スキッドを頻繁にすることで、タイヤが偏って摩耗してしまう恐れがある。
スキッドをしない人は、スキッドポイントについては、あまり考えなくて良い。
チェーンリングを変更するか、スプロケットを交換するか
ギア比を変更したい場合、チェーンリングを交換する方法とスプロケット(コグ)を変更する方法の2パターンがある。
それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った方を選択すると良い。
ギア比変更方法 | メリット | デメリット |
チェーンリングを交換する | ・特殊な工具を必要としない (六角レンチとマイナスドライバーのみ) ・交換が簡単 | ・スプロケット(コグ)よりも、チェーンリングの方が部品代が高価な場合が多い |
スプロケット(コグ)を交換する | ・チェーンリングよりも、スプロケット(コグ)の方が部品代が安価 | ・コグ外しのために専用の工具が必要になる (この工具がまーまー高い) ・コグを外すためにけっこう力が要る (固くて外れない) |
ちなみに、私の場合は、「コグ外しを持っていなかったこと」、「チェーンリングの見た目が好きじゃなかったので交換したかった」という2つの理由から、即決で「チェーンリングを交換する」方法を選択した。
コグ外しは結構高くて、だいたい2千円〜3千円くらいするので、コグ外しを持っていない人は、チェーンリングを交換したほうが安く仕上がるだろう。
チェーンリングを交換してギア比を変更してみる
コグではなくて、チェーンリングを交換するところまで決まったので、チェーンリングの選定だ。
今のギア比は 「2.875」 なので、ちょっと重たい 「3.0」 くらいにしたい。
そうなると、コグ:16Tなので、チェーンリング:48T を買えば、ギア比= 3.0 になる。
(スキッドポイントは1になってしまうので、スキッドには向かない構成です)
Amazonで「チェーンリング 48T 130BCD」と検索すると、結構たくさんHitした。
ということで、見た目が好みで、軽そうなチェーンリングを選んだ。
私は、Liteproという中国のメーカーのアルミ合金の、スケスケのチェーンリングを購入した。
Litepro折りたたみ自転車フルホロー自転車チェーンホイール48/50/52/54/56 / 58TチェーンリングBCD130超軽…
ちなみに、130 BCD (PCD)とは、クランクに取り付けるネジ穴間の直径サイズのことだ。
BCD = Bolt Circle Diameter、PCD = Pitch Circle Diameter のことで、どちらも同じものを指す。
チェーンリングの中心を通るように円を切ったときに、取り付けネジ穴と対極までの長さだ。
130 BDC(PCD)だと、直径130cmということになる。
下の写真で言うところの、左真ん中の穴から、右真ん中の穴と穴の間くらいの場所までの距離が130cmということだ。
歯数は、念願の「48T」だ。
「46T」から2つ歯数が増えた。
CNCとは Computer Numerical Control の略であり、コンピュータでアルミを削り出す際に、移動速度や移動量などを精緻に計算する手法のことらしい。
ずっとアルミの素材の名前だと思っていたけれど、製造手法のことだったんですね。知らなかった。
ちなみに、チェーンリングには、厚歯と薄歯とナローワイドいう3つの種類がある。
それぞれの特徴はこんな感じ。
種類 | 概要 |
厚歯 | 歯が厚い。そのため、チェーンも太い。 ママチャリ、シングルスピード、BXMは厚歯が一般的。 |
薄歯 | 歯が薄い。そのため、チェーンも横幅が狭い細い。 クロスバイクやロードバイクのように、変速機が付いている自転車でよく使用される。 |
ナローワイド | 薄歯と厚歯が交互になっているチェーンリング。 この薄歯と厚歯が交互になっている形状の恩恵により、チェーンが外れにくいメリットがある。 厚歯用のチェーンにも、薄歯用のチェーンにも、どちらにも使用することができる。 |
私の自転車は、ピストバイクでシングルスピードなので、厚歯のチェーンリング+チェーンだ。
厚歯のチェーンリングを買っても良かったのだが、ナローワイドに興味があったので、ナローワイドを買ってみた。
新しく購入したチェーンリングの重さは、アルミ合金ということもありたいへん軽量で good だ。
「76g」という軽量具合だ。
これだけスケスケの形状なので、すごく軽くなるんだろう!と期待。
交換前に、完成車に付いていたチェーンリング「46T」は、見た目はすごく重そうながら、なんと「70g」と、新しく買った交換後のチェーンリングよりも 6g も軽量だった。
なんということだ!意外だ。
こんなに見た目は重そうなのに、こんなに軽かったなんて。
むしろ、シルバーの新しいチェーンリングはこれだけ軽そうなのに、このブラックのチェーンリングよりも重たいのかよ!
ただ、「46T」→「48T」と2つ歯が増えているので、それが 6g だったと納得することにしよう。
チェーンリングの交換
チェーンリングの交換はとっても簡単だった。10分かからなかったんじゃないかな。
【チェーンリング交換の手順】
(1)後輪をレンチで緩めて、チェーンをゆるゆるの状態にしておく
(2)チェーンリングボルト(下図の金色のネジ)を、六角レンチで緩めて、クランクからチェーンリングを取り外す
(3)新しいチェーンリングを取り付け、チェーンリングボルトを締める
(4)チェーンを張って、後輪を固定
必要な工具は、「モンキーレンチ」と「六角レンチセット」と「マイナスドライバー」のみだ。
マイナスドライバーは、チェーンリングボルトを六角レンチで締める際に、後ろ側のネジを固定化するために使う。
(マイナスドライバー用の溝が引いてある)
チェーンを張ったところ。
見た目はスッキリしていて、けっこうカッコいい(自己満足)。
カスタム感が出ますな。
チェーンを張って、後輪を固定化したところ。
ギア比は、「2.875」→「3.0」に 0.125 アップした。
この 0.125 という数字が、どのくらいの規模感なのかイメージがつきにくいので、直感的に分かりやすい距離に換算してみようと思う。
私の自転車のタイヤは 27インチで、700 x 23C という規格なので、タイヤの外周はだいたい「210cm」だ。
従って、ペダルを1回展すると進む距離は、下記のようになる。
ギア比 2.875: 6.0375m 進む
ギア比 3.0: 6.3m 進む
その差は、26.25cm だ。
つまり、ペダルを1回転するごとに、26.25cm も多く進むことができるようになったということだ。
この距離はめちゃくちゃ大きいと言える。
ペダル100回転、26.25m だ。
ペダル1000回転で、262.5m だ。
チェーンリング交換によるギア比変更(2.875 → 3)の体感はこんな感じだ↓
体感 | |
走り出し | ギア比変えたかな?というくらい、変更前とあまり変化がない。 もっと重たく感じるかと危惧していたが、全然問題なかった。 座りながらでも走り出しはスムーズに進行可能だ。 |
巡航 | これはむちゃくちゃ楽になった。 気持ちのんびりペダルを漕ぐだけで、スイスイ自転車が進む。 そうなのだ。私はこれを求めていたのだ。 |
正直、ギア比を上げてよかった!
むしろ、なぜもっと早くギア比を上げなかったのだろうと謎に思うくらい、しっくりきた。
むしろ、ギア比「3.0」だと、ちょっと物足りないくらいだ。
走り出しも思ったよりも重たくなかったし、巡航においても、もっとギア比があった方が、もっとのんびりペダルを漕ぐことができると思う。
平地に住む民族としては、ギア比は「3.0」より大きくしても問題なさそうだ。
ともあれ、探り探りやっていくしかないので、「2.875」→「3.0」へのギア比変更は、大成功!という結果となった。
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