はじめに
多摩電子工業 のing Z-299というFMトランスミッタが破格の¥1,150(送料込み)で売られていたので、思わず購入した。
楽天市場のMegaShop「PC EXPRESS楽天堂」 で購入したが、今は送料が別になってしまったみたい。
なのでAmazonの方が安くなったみたいだ。
FMトランスミッタは以前から作ろうと思っていたのだが、周波数変調をしてくれるお手軽なIC(NJM2035D、BA1404、BH1414、BH1415、BH1416、etc)が手に入りにくかったり、いざそのICを手に入れたところで発振する周波数を高精度に設定できるPLL方式にしようとすると、PLL方式のICが少なくこれまた入手が困難だったりという理由から、なかなか踏み出せずにいた。
そんな矢先、破格のZ-299を発見したのである。
FM変調のICを買うより安く購入でき、しかもPLL方式でコンパクト。
FM送信周波数も、88.0、88.2、88.4、88.8MHzの4つから選ぶことができる。
こいつを使わない手は無い。
ようやく、重い腰を上げFMトランスミッタの自作に踏み出したのである。(自作といっても改造であるが)
Z-299の分解
Z-299の裏側を見ると、ネジがある。
これをはずしてみると…
しっかりメーカー保証が無くなってしまう。
周波数変調をし、発振しているICはHY1417LPというICのようだ。
検索すると中国のサイトがたくさんひっかかるので、どうやら中国製のICのようだ。
しかし、探してもデータシートが見つからないので詳しいことは分からない。
BH1417の互換製品らしく、このICでBH1416のようにワンチップでPLL方式によるFM送信をしてくれるようだ。
水晶発振子がきちんと使われているので、少しほっとした。
プリント基板を追っていくと、電源は、
CとLでローパスフィルタ → スイッチングレギュレータで5V
というようにしている。
よって、006Pの9V電池を電源にしても動作しそうだ。
また、送信アンテナは、ミュージックプレーヤーとの接続に用いるステレオフォンケーブルをアンテナにしている。
ケーブルは90cmほどで、FMの帯域である80〜90MHzの電波の波長λのλ/4になっている。
それにしても、これだけの回路が入っていて千円ちょっとで購入できるのはすごい。
自分で作るよりも格段に安いし高性能だろう。
Z-299の改造
Z-299は安い割にノイズも少なく、コストパフォーマンスが高い。
だが、次のような欠点がある。
(1)音量が小さい
(2)電波の送信出力が弱い
(1)は、iPodとトランスミッタとの間にヘッドフォンアンプを挟む事で解決できる。
(2)に関しては、アンテナを改善するか、高周波増幅回路を入れなければならない。
ヘリカルアンテナかロッドアンテナを自作しようかと思ったが、アンテナは邪魔になるし何しろ電波の分野は難しい。
結局、高周波増幅回路により、出力を電波法に触れない程度に増幅することにした。
増幅には、若松通商で購入できるμPC1676GというICにすることにした。
電源に5Vを供給するだけで22dB増幅してくれる便利なICだ。
1.2GHzの高周波まで対応できる。
ただ、このICの難点はものすごく小さいことだ。
ごま粒ほどしかなく、はんだ付けには泣かされる。
全体の流れを回路にすると
このようになる。
シガーソケットに挿すと運転中に目障りなので、基本的には電池による電源供給にする。
(DCプラグにより、シガーソケットからも電源供給ができるように一応している)
アンテナは、Z-299の仕様と同じようにステレオフォンケーブル兼アンテナとしている。
いよいよ実際に配線。
非常にコンパクト。
タバコより一回り小さいくらい。
基板を斜めにしないと入らないくらいコンパクトなケースを買ったため、コンパクト。
相変わらず配線は無茶苦茶。
レタリングを入れて完成。
とても簡単に出力増強改造の出来上がり。
制作費もZ-299の他に千円くらい。
後部座席にiPodと繋いで転がしておけば、FM放送には若干劣るが、それなりの音で音楽を聴くことができるようになった。
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