ハリアー30系のオーディオ事情
ハリアー30系は前期/後期ともに、ある程度古い車なので、AUX端子も無ければ、bluetoothオーディオも無い。
今どき、iPhone等のスマホから、AppleMusic/Spotify/Amazon Prime Musicなどから、ストリーミングで音楽を流す時代だ。
スマホと車を接続して音楽が聴きたい訳である。
そこで、二代目ハリアーに、AUX端子やbluetoothオーディオを具備させるカスタムを行う。
ナビへの外部入力方法
ハリアーのオーディオ/ビデオ外部入力は、「Video」という入力から実現できる。
これは何かと言うと、チューナーにVTR入力端子というものがあって、ここにVRTケーブルを差し込むことで、オーディオ/ビデオの入力が可能となる。
VTRケーブルとは、こんなものだ↓
【Esperanza】取説付属トヨタ 30系ハリアー外部入力 VTR 接続 アダプターGSU30・31・35・36/ACU30・35 DVD …
厄介なのが、VTR入力端子を持ったチューナーがトランク内にあることだ。
DVDナビかHDDナビかで、トランク内のチューナーの場所が変わるので注意が必要だ。
(1)DVDナビ搭載車種:トランク中央部
(2)HDDナビ搭載車種:トランク側面(運転席側)
私のハリアー30系後期は、(2)HDDナビ搭載車なので、トランク側面の運転席側だ。
(この↓写真のピンク色で囲った部分に、お目当てのチューナーがある)
VTRケーブル接続方法(HDDナビの場合)
必要な工具は12mmのスパナと、ハサミだ。
スパナは、↑このように薄いものが良い。
後述するが、トランク手前側の上ブタを外す際に、12mmのナットを外す際に、厚みが薄い部分に、スパナを滑り込ませる必要があるからだ。
(1)まず、トランクの内蓋を開ける。
(2)奥側のジャッキが入っている上蓋を外す。
上蓋は、後部座席側から、パチッと引っ張れば、めくれるようになっており、ある程度外れた跡は、12mmスパナで12mmナットを外すと、完全に取ることができる。
上蓋を外すことができれば、このジャッキが入っているトレイも外すことができる。
(3)続いて、手前側の上蓋(右)を外す。
これにも、12mmのスパナが必要となる。
上蓋は、右側のみ外せば良い。
また、ハサミで仮止めしてあるビスを外す。
右側の上蓋を外すことができれば、トランク右側のケース的なプラスチックが外れる。
ここでようやく、チューナーにアクセスすることができる。
(4)トランク右側の壁を、下から鏡等で覗くと、このようにチューナー端子が見える。
この6穴の接続端子が、VTR端子である。
ここに、VTRケーブルを差し込む。
VTRケーブルを挿せば、HDDナビのオーディオ入力元に、「Video」という項目が出現するはずだ。
これを選択すると、後述するVTRケーブルに接続したオーディオ機器からの音を鳴らすことができる。
スマホとの接続
VTRケーブルと、下記のような「ステレオミニ-RCA変換ケーブル」を接続する。
Ugreen 3.5mm ステレオミニプラグ to 2RCA(赤/白) 変換 ステレオオーディオケーブル スマホ タブレット TV …
ステレオミニ端子を、スマホに接続しても良いし、下記に示すようなbluetoothオーディオに接続しても良い。
【1分で簡単セットアップ 】(JPRiDE) JPT1 Bluetooth ver 5.0 超小型 トランスミッター & レシーバー (受…
配線は、トランクルームの中で、トランクルームのシガーソケットから電源を取って、Bluetoothの電波を飛ばしても良いし、VTRケーブルを床を這わせて、運転席下助手席まで持ってきても良い。
私は、とりあえず運転席まで床をオーディオケーブルを這わせて持ってきて、iPhoneと接続した。
これで、見事にハリアー30系で、スマホから音楽を聞くことができるようになった。
ノイズ対策
せっかくiPhoneから音楽を聴くことができるようになったのに、シガーソケットから電源を取ると、アクセルの吹かしに合わせて「ヒュー、ヒュー」とノイズがのってしまう。
これは、オルタネータノイズというものだ。
少々込み入った話になるが、オルタネータノイズが発生する仕組みは以下のとおりである。
私の車の場合、音源であるiPhoneから、伝達先の機器は、トランクルームにあるチューナーだ。チューナーはトランクルームの車のボディからGNDを取っており、一方iPhone(Bluetoothレシーバ)は、助手席のヒューズボックスからGNDを取っている。この2つのGNDの距離が離れており、オルタネータから発せられる強い磁界がこのGND間で電位差を作り、GNDと信号ラインとの電位差が揺らぎ、これがノイズとして音に影響を与えてしまう。
対策は、下記のように複数ある。
(1)バッ直(バッテリーから直接)電源を取る
(2)RCAケーブルで接続するオーディオ機器のGNDを合わせる(同じところから取る)
(3)グランドループアイソレータを使用する
一番お手軽なのが、(3)グランドループアイソレータを使用するという方法だ。
1000円くらいで購入することができる。
これをオーディオラインに入れることで、嘘のようにオルタネータノイズが消える。
仕組みは簡単で、グランド(GND)ラインにトランス(コイル)が入っており、グランド(GND)から切り離して、グランドループによるノイズを除去してクリーンなGNDラインを作ることができるというものだ。
コイル同士による主信号系の伝達により、別世界のGNDを作るという仕組みになっている。このため、オーディオ機器機器間のGNDの電位差は無くなり、オルタネータノイズが消えるという仕組みだ。
オルタネーターノイズ対策の詳細は、こちらのエントリーをどうぞ↓
バッ直などは、配線が面倒なので、とりあえずグランドループアイソレータを入れておくことをオススメする。
電源をトランクルーム内から取る(配線隠し)
これまでは、VTRケーブルを運転席まで引き回し、電源はセンターコンソールにあるシガーソケットから取っていた。
しかし、これだと、安くてシールドもされていないVTRケーブルを、トランクから運転席まで引き回すために、信号ラインにノイズを載せてしまい、音質的に良くない。かつ、配線が見えてしまうので見た目もカッコ悪い。
そこで、VTRケーブルを挿すチューナーと近いところであるトランクルーム内から電源を取ることにした。
(これにより、前述したオルタネーターノイズを除去する効果も期待できる。効果は後述する)
電源は、HDDの電源をエレクトロタップを使って盗むことにした。
(トランクルーム内の運転席側にある、こいつ↓がお目当てのHDDだ)
このHDDのたくさんピンのあるコネクタの、一番端にあるピンク色の配線が、ACC電源だ。
(この写真で言う右上のピンク色がACC電源だ。ちなみに、隣の水色の配線が、常時電源)
このピンクの配線(ACC電源)に、エレクトロタップを取り付ける。
(こんなふうに↓)
エレクトロタップとは、このような↓もので、配線を挟んでペンチで噛ませるだけで、簡単に配線を分岐できる便利なものだ。
エレクトロタップで分岐した配線に、シガーソケット(メス)を取り付ける。
GNDは、HDDのGNDと同じところから取った。本当は、チューナーと同じところからGNDを取るのが良いのだが、まずはお手軽に済ませた。
(このように↓)
シガーソケットにUSB変換端子を取り付け、Bluetoothアダプタに配線するとこんな感じ↓。
後は、結束バンドで束ねて、車体と振動で音が出ないように、防音材などで包むと完成。
トランクルームから電源を取った方が、音質が良い。
低音の締りが増し、音の輪郭もくっきりした。
やはり、信号ラインを長い距離張り回していないので、車体からの信号ラインへのノイズ混入を防げるからだろう。
配線もスッキリして、一切見えないようになった。happyだ。
また、オルタネーターノイズが完全に消えた。グランドループアイソレータを外しても、オルタネーターノイズが全く載らなくなったのである。
前述した(2)RCAケーブルで接続するオーディオ機器のGNDを合わせる(同じところから取る)の効果は絶大である。
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