バッテリーがあがってしまった
コロナ禍もあり、すっかり外出の機会が減り、バッテリーがあがってしまった。
バッテリーチャージャーを使用して、ひとまずは充電した(その時の模様は下記エントリーに記載したので、気が向いたら見てください)
だが、また2ヶ月ほど車に乗らない期間があれば、再度バッテリーがあがってしまう訳である。
これは由々しき事態だ。
車はエンジンを切っていても、車の侵入検知システム(セキュリティ)やキーレスリモコンの待ち受けなどのために、微弱ながら常に電力を消費している。
これを、「暗電流」と呼ぶことが多い。
一般に、暗電流は30mA以下程度が多いと言われている。
試しに、私の車(ハリアー350G Lパッケージ)の暗電流を計測してみると、25mA程度だった。
(計測しているところを掲載しようと思っていたが、写真を撮るのを忘れてしまった)
25mAなんてほんと微弱な電流だが、悪い意味の継続は力なりで、2ヶ月流しっぱなしになると、
12V x 25mA x 24h x 60days = 432Wh
にもなる。
私のバッテリーはPanasonic カオス N-100D23L/C7 で 5時間率容量は 58Ah。
5時間で 58Ah x 12V = 696Wh 使用できる容量ということだ。
5時間率容量なので、これですっからかんになることは無いが、432Whはけっこうなウェイトを占めそうだ。
ということで、この暗電流 25mA をなんとか太陽光発電(ソーラー充電)で賄えないか?ということにチャレンジしたいと思う。
太陽光発電=ソーラーチャージャーによる給電
太陽光発電により生産した電力を、車のバッテリーに蓄えることができれば、暗電流に悩まされることもない。
自分の車にソーラーパネルを搭載する日が来るとは思わなかったが、時代は進展したものである。
なんと、2500円も出せばお釣りがくるような値段で、ソーラーチャージャー(ソーラー充電器)が売られている。
最大出力は 25mA ということで、なんと偶然にも私の車の暗電流値 25mA にジャストミートするではないか!
実際には、太陽が出ていない時間には発電能力は低下するため、暗電流による放電のほうが、太陽光発電による給電を上回ってしまうが、バッテリーに蓄電された電力の浪費スピードは格段に抑制できることになる。
これは素晴らしいではないか!
気がついたら、指が勝手にポチっていた。しつけの悪い指だ。
「バッテリーにサプリメントを!」
「バッテリーが元気イキイキ」
という宣伝文句には思わずニヤけてしまう。
パナソニック製のアモルファス太陽電池を使用しているとのことで、品質は安心できそうである。
さっそく開封し、動作確認だ。
テスターでソーラー充電器の電圧を計測してみると、18.87V の出力が出ていた。
ちゃんと動作しているみたいだ。
なお、いろんな人のブログを徘徊していると、こうやってソーラー充電器の電圧を計測して、「18Vも出ている!危ない!品質はどうなっているんだ」と書いている人をちらほら見かけるが、これは開放電圧であって、負荷に対して電流を流していないので、高めに電圧が計測されるのである。安心して大丈夫だ。
このソーラー充電器は、マイナス端子はU時のクワガタのツノのような端子が付いているが、プラス側については、動線がむき出しになっていて無加工である。
従って、自分で端子処理をしなければならない。
ソーラー充電器は、できればバッテリー端子に直接つないだ方が良い(所謂、バッ直が良い)のだが、私の車はダッシュボードからバッテリーまで電線を取り回すのは難しいので、助手席側グローブボックス下のヒューズボックスに接続することにした。
そのため、ヒューズから電源を取り出すための部品と、先述のプラス端子を加工するための部品が必要になる。
キタコ(KITACO) ギボシ端子セット CA/CB103(ホンダ/オス・メスセット) 各5セット 0900-755-01000
どちらも安いものだ。
まずは、ソーラー充電器のプラス端子に、ギボシ端子(オス)を取り付ける。
私は、ワイヤーからギボシがスポッと抜けるのが嫌いなので、ハンダで導線とギボシ端子を癒着させてしまった。このあたりは好みだ。
これで準備は整ったので、実際に車に設置していこうと思う。
ソーラー充電器の車への取り付け
ソーラー充電器をどこに取り付けるかは好みだが、私は助手席側のダッシュボードの上に設置することにした。
写真 青色線のように、ケーブルはなるべく見えないように隠すことにした。
この下から上に伸びている、助手席のドアを密閉するためのゴムの裏にケーブルを隠した。
私の車(ハリアー30系)は、ヒューズボックスはグローブボックス下にあるため、グローブボックス下のこのパネルを外す。
(マイナスドライバーで3箇所の爪を外せば簡単に外せる)
下から上を見上げると、ヒューズボックスにアクセスできる。
(この写真は、STOPというブレーキランプの常時電源 10A のヒューズから、既に電源を取り出してしまっているところ)
ヒューズの配列は、車のマニュアルに載っている。
どのヒューズ端子から電源を取るか?が悩むところだ。
ソーラー充電器による給電は、車のエンジンを切っている時も給電を継続したいため、常時電源に接続することが望ましい。
常時電源で、危なくない端子としては、「室内灯」「ブレーキランプ(制御灯)」あたりが良いだろう。
室内灯は、ボンネット側のヒューズボックスにしか無かったため、⑦STOP ブレーキランプ(制御灯)から電源を取ることにした。
※このとき、ECUなど車の中枢関連のヒューズは絶対に触らない方が良い!最悪の場合車が動かなくなります
なお、ヒューズを交換する時は、安全のために、車のバッテリーのマイナス端子を外してから作業を行いましょう!
ヒューズを外す工具は、実はボンネット側のヒューズボックスの蓋の裏に付いていたりするので、確認してみると良いだろう(この↓白いプラスチックのものがヒューズ外し工具だ)。
マイナス端子は、GNDに接続する。
つまりは、車の金属部分であればどこに取り付けても、理論上問題ない。
ちょうど、エアコンを留めある金属にネジがあったので、ドライブレコーダーの電源を取ったときと同じく、ここにマイナス端子を接続することにした。
余った配線を結束バンド等で束ねてきれいにしておく。
これで取り付けは完了だ。
ざっと15分で設置することができた。
とても簡単だった!
ソーラー充電器の効果は!?
それでは、気になる効果を計測してみたいと思う。
よく晴れた日の朝9時に、バッテリーから浪費される暗電流を計測してみた。
ボンネットを開けて、バッテリーのマイナス端子を外す。
下記のようにテスターを接続し、電流計測モードである「mA」に合わせて、電流値を計測する。
車側のマイナス端子:テスターのマイナス端子
バッテリーのマイナス側の端子:テスターのプラス端子
※このとき、感電の危険を回避するため、手袋を身につけて作業しましょう!
ソーラー充電器を取り付けた後の暗電流値は 0.25mA であった。
ソーラー充電器を取り付ける前の暗電流:25mA
ソーラー充電器を取り付けた後の暗電流:0.25mA
ちょうど暗電流と同じ 25mA を太陽光発電により電力共有をしてくれたようで、日中帯は暗電流と太陽光発電量が相殺できるようになった。
これは素晴らしい!
ソーラー充電器を取り付けた後、嬉しい誤算だが、エンジンをかける際のセルの回りが良くなった気がする。
また、バッテリーは、高い電圧を保っていれば、バッテリー内部のマイナス端子に絶縁体である鉛結晶が付着するサルフェーションは発生しづらいらしいので、バッテリーの寿命を伸ばす効果も期待できるらしい。
2500円で取り付けられるので、車に乗らない期間がある程度ある人は、ソーラー充電器を取り付けた方が良いんじゃないですか?と思ったりしました。
その後(ソーラーパネルを変更)
メルテックのソーラーバッテリーチャージャーを導入してからというもの、2ヶ月くらいではバッテリーがあがってエンジンがかからないという困った事象にはならなくなった。
しかし、1ヶ月、2ヶ月もすると、バッテリの電圧が12.3Vになっていたりと、じわりじわりとバッテリー残量が減ってしまうことが判明した。
まぁ、2ヶ月に1回くらいは車に乗るのであれば、まったく問題ないレベルではあるのだが、バッテリーは常に12.6Vを保っていることが望ましく、電圧が降下するとバッテリーのマイナス電極に絶縁体が固着するサルフェーションが発生し、バッテリーが弱ることは間違い無い。これは、よろしくない。
そんな時、中国の格安通販サイトである Aliexpress(アリエク) を徘徊していると、見た目も良く、12V 4.2W 350mAの発電が可能なソーラーパネルが、なんと1,000円程度で売られているのを発見した。
それがこのリンク先のソーラーパネルだ↓
https://s.click.aliexpress.com/e/_DlB3W4p
アリエク初めての方は、ぜひ下記招待コードを使って登録ください。
2500円程度のクーポンを取得することができます。
(このブログの著者にも500円程度のクーポンが贈呈されてしまいます)
招待コード= INEBSA49
届いたのがこちら。
気泡が入っているように見えると思いますが、これは保護フィルムが貼られているからであって、保護フィルムを剥がせばきれいです。
モノはとてもしっかりしており、クオリティは高い印象。1000円なのに。
サイズは、手のひら2枚分くらいのサイズ。
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電圧12v
発電量:4.2W
最大電流:350mA
材料: 多結晶
サイズ: 130x200mm
型番:MAZAVA CNC130X200-12
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なぜ1000円というこんなにも安い値段なのかというと、裏があります。
裏面を見ると、配線のケーブルなど、何もない状態のソーラーパネルなのです。
そうです、DIYで自分でハンダ付けしないといけないのです。
ということで、こんな感じで配線ケーブルをハンダ付けします。
簡単ですね。
ハンダコテは一家に一台持っておいた方が良い便利グッズだと思います。
最近は1000円を切った価格で売られているんですね。
白光(HAKKO) BLUE SET 電気器具/電気部品用はんだこてセット 40W はんだ/吸取線/簡易こて台付き FX511-01
さて、配線ケーブルもちょうど切らしていたので、Amazonで購入した。
20m で800円だ。もう一生使えそうなくらいの長さだ。
ただ、この配線ケーブルは、赤と黒の2色で構成されており、配線のときは極性を間違わずに便利なのだが、車のダッシュボードに置く配線としては、悪目立ちしてしまう。
そこで、配線ケーブルに、マッドブラックのラッカースプレーで着色して目立たないようにした。
(実は、今回のDIYで、このケーブルの塗装が一番面倒だったかも)
続いて、ソーラーパネルは、夜間は太陽が沈んで真っ暗になるので、発電できない。
一方で、バッテリーからソーラーパネルへ電力が供給されてしまい、微弱ながらも、バッテリーの電力を消費してしまう場合がある。
バッテリーに充電したいがために、ソーラーパネルを導入したのに、バッテリーの電力を夜に食べてしまっては本末転倒だ。
そこで、逆流を防止する整流ダイオードを入れる。
至って簡単だ。ダイオードを、プラス側の配線にかませるだけだ。
こんな感じに↓
私はたまたま整流ダイオードが家に転がっていたので、それを使った。
無い人は、安いので購入しちゃいましょう。
電流容量はさまざまなものがありますが、今回使ったソーラーパネルの発電量は最大でも350mAなので、1Aもあれば十分だ。
こんな感じでハンダ付け。
あとは、マイナス側の端子にボディーアース用の端子を取り付けて完成だ。
簡単ですね。
一応、ダイオードの極性が間違っていないか、テスターを使って電圧チェック。
曇天なお天気の室内で計測して、12.85V。
いい感じですね。
ハンダ付けしたケーブルの根元は弱いので、ホットボンドで補強しておきました。
いざ完成!
さっそく車へ設置します。
うん、シンプルで目立たずに、かっこいいですね。
余計なフレームとか無いので、見た目が良いです。
この130mm x 200mm という小さなサイズで、12V 350mAもの発電ができるのだからすごいですね。
しかし、ちょうど東京に雪が降った日だったので、あいにく、今日はコイツ(ソーラーパネル)の全力を感じることはできなかった。後日に期待だ。
(そう言えば、一昨年にツィーターを交換した日も雪が積もっていた気がする。雪が積もった日に車をいじりたくなる変な性質を私は持っているのかもしれない)
ソーラーパネル交換の効果は!?
いやぁ、いいですね。
車に乗らずに放置していても、12.5Vを下回ることは無くなりました。
発電コントローラを入れていないので、過充電になってしまわないか心配したのですが、今のところ、全く問題ないようです。
(まぁ、1日のうち、発電できる時間は短いですし、太陽がサンサンと照るような良い天気が続くとも限らないので、このくらいのサイズなら、過充電を心配することはなかったようだ)
見た目もスッキリしてカッコよくなったし、大満足だ。
DIYする手間を惜しまない人は、メルテックなどの既成のソーラーチャージャーを買うよりも、Aliexpressなどで、自分好みのソーラーパネルを買った方が、満足度が高いと思います!
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