デッドニングとは?
カーオーディオの基本事項に、デッドニングがある。 デッドニングとはなにか? 日本では「デッドニング」とだけ言うことが多いが、「sound deadening」で「消音」という言葉の和製英語だ。 (蛇足だが、「防音」は「soundproofing」とか「sound isolation」と言うらしいぞ) カーオーディオマニアが「デッドニング」と言っているのは、 「デッドニング」=「車のフロアーやドアなどに、防音材や制振材を貼って、車内の静音化を実現すること」 を指す。 ちなみに、「しゃない」を変換して「社内」が最初に来る人は社畜です。私です。 せっかくスピーカーを純正から交換しても、車のドアは穴だらけでスカスカなので、音漏れしたり、ドアに跳ね返ってきた位相の逆転した音が本来の音をかき消したり(キャンセリング)して、音が悪くなる。 これを、デッドニングにより、スピーカーの本来持つ性能を最大限引き出そうというものだ。 今回は、ホームセンターで手に入るものだけを使って、デッドニングをしたのでレポしたいと思う。
(これ↑は、施行後(after)の写真だ、デッドニングで改造にハマって、後日スピーカーも交換した後の写真だ)
ホームセンターに売っているものだけでデッドニング
デッドニングには、だいたいこれらの材料が必要になる。 (1)内張り剥がし (2)制振材 (3)消音材 (4)サービスホールを埋めるためのアルミテープ等 (5)隙間埋め材(スピーカーと内張りの間に詰める防音材) ————————————– (1)内張り剥がしは、こういうもの↓だ。 所謂、へら状のものであれば何でも良い。 (プラスチック製が良い、金属だと、車に傷が付くので)いざ、デッドニング! @コーナンの駐車場
すごくコーナンの駐車場が空いていたので、「あ!あれ買い忘れた」という時のために、コーナンの駐車場で作業をさせてもらった。 (ごめんなさいコーナンさん、お許しください)ドアの内張り剥がし
ドアの内張りを剥がすために、ネジを2本外す必要がある。 まず、1本目は、車内からドアを閉めるときに持つ、ドアのポケットの中にある。 プラスネジさんこんにちは
2本目のネジは、ドアのロックをするところに、内張り剥がしを入れると、カバーが外れて、「ネジさんこんにちは」となる。こちらもプラスネジだ。
2本のプラスネジを外し、ドア前方の窓際にあるネジっぽいプラグの真ん中を押すと、パカっとプラグが外れる。
(写真撮るの忘れた、分からなければご質問ください)
あとは、ドアの内張りに内張り剥がしを滑らせ、指を入れて思い切って引っ張ると、「割れたんじゃないか!?」というくらい大きな音が鳴って、内張りが剥がれていく。
9本くらいのクリップでドアと内張りはひっついていた。
あと、3つくらいドアと内張りをつなぐハーネス(ケーブルのソケット)があるので、これを外す。
また、ドアのロックを司るケーブルもあるので、これも外す。
これ↓が外したドアの内張り。
ハリアー30系は、案外ちゃんとニードルフェルトの防音材がふんだんに使われていた。
どうりで、高速で走っても車内が静かな訳だ。
(この防音材がない場合は、ここに防音材を敷き詰めると、車内の静音化が格段に進むらしい)
ドノーマルのドア内側はこんな感じ。
雨が車内に侵食してこないように、ビニールで覆われている。
ちゃんとビビリ防止のスポンジも付いている。
スピーカーに隙間埋めテープを巻く
ドノーマルの純正スピーカーがこちら。
ちゃんと、スポンジが付いており、内張りに付いたスピーカーカバーに防振でリンクしていた。
やるじゃないかハリアー。
(「このままだと、デッドニングの効果はあまり体感できないかも。。」と少し不安になる)
このスポンジが少し心許なかったので、換気扇のフィルタ掃除コーナーで見つけた、隙間埋めテープを貼って補強した。
この隙間埋めテープの補強により、ドアと内張りの間に音が逃げることなく、スピーカーが奏でた音が車内にすべて届くようにすることができる。
スピーカーホールの補強
次はスピーカーホールの補強だ。 スピーカーが付いていたところの裏側に、制振+消音加工を施す。
スピーカーは、前方にだけ音を出すのが理想だが、後方にも音が出てしまう。
この後方に出た音(逆位相)が、ドアに反射して、前方方向の音と交じると、逆位相なのでキャンセリングの役割を果たしてしまい、本来聴きたい音を掻き消して音質劣化を招いてしまう。
スピーカーの後方に、消音材を置くことで、ドアによる反射を軽減し、キャンセリング事象を改善することができる。
また、幾ばくかの音は、ドアの鉄板に達してしまい、ドアを振動させてしまうので、制振材をドアに貼ることで、ドアが振動するのを抑制する。
制振材をホームセンターで探していたところ、ゴム売り場で、制振効果を有するゴムが売られていたのでこれを買うことに。
30cm✕30cmくらいのサイズで、300円くらいだった。
この制振ゴムに、両面テープを付けて、ドアの鉄板に貼り付ける。
スピーカーホールに、制振ゴムを両面テープで貼り付けたところ↓
ちょうど邪魔なところに、パイプがあったので、仕方がないので制振ゴムをハサミで切って2つにして、分割して貼り付けた。
さて、お次は消音材だ。
NRスポンジゴムが10mm✕300mm✕300mmで158円で売られていたので、即決した。
NRスポンジゴムは、弾力性があり、耐摩耗性、耐寒性、耐引張に優れて、また熱伝導率が低く断熱性が良い特徴を有する。
肝心の音に対する特性はと言うと、防音、遮音性に優れている。
ただ、独立気泡構造なので、吸音・消音効果は低い。
(消音効果は、連続気泡構造が望ましい。)
ほんとうは、ニードルフェルトが欲しかったのだが、無かったのでNRスポンジゴムで妥協。
音が気に入らなかった場合は、後日改善することにしよう。
制振ゴムの上に、NRスポンジゴムを重ね貼りしたところ↓
(制振効果はバッチリだ)
穴埋め(サービスホール等)
ドアには、サービスホールなどたくさんの穴が空いている。 サービスホールは、その名のとおり、メンテナンスなどのサービスを行うための穴だ。 ただ、これらの穴から、スピーカーの裏側から出た逆位相の音が漏れ出して、キャンセリング等のノイズになる。 スピーカーには、通常エンクロージャーと言う箱状のBOXの中にスピーカーユニットが付けられている。 エンクロージャーの役割は、逆位相の音を殺すことだ。 (バスレフ式と言って、逆位相の音を、反転させて正位相にして低音を増強するものもある) エンクロージャーを設計してバスレフ型スピーカーを作った過去記事があるので、興味があればご覧ください↓
バスレフスピーカーを自作する方法|FOSTEX FE-127Eを使った高音質スピーカー
FOSTEX FE-127Eを使用したバスレフスピーカー(12cmユニット)を制作したのでレポ。バスレフスピーカー(共振周波数等)の設計、木材の加工、塗装、音質レビュー等を紹介
これを、サービスホールのサイズになるようにハサミで切って加工した。
あとは、アルミテープで穴という穴をひたすら塞ぎまくる作業だ。
そして、穴を塞ぎ終えたのがこちら↓
素人ながら、けっこうきれいにデッドニングできた。
内張りクリップが刺さる穴は塞いではいけない。
あと、書き忘れたが、ドアに貼ってあったビニールは、ブチルという制振性に優れたねちゃねちゃする接着剤で付いているが、それらを取り除いた。
ビニールを再利用する事例もネット記事で見受けられるが、ビニールが様々な周波数で共振して、ビビリ音を発するので、取り除いたほうが音質面で有利である。
少々、雨水が不安となるが、きちんとデッドニングしていれば、雨水が内張りに入ってくることは無いので大丈夫だ。
注意点!鍵のロックやドアノブが効いているか確認してからドアを閉めよう
これは声を大にして注意喚起したい。 ドアの内張りを外すとき、ドアの開閉をするためのワイヤーと、鍵の開閉をするためのワイヤーを取り外したと思う。 このワイヤーがきちんと噛み合っているか、確認してからドアを閉めよう。 決して、「取り敢えずドアを閉めてみるか」という私みたいなことは止めておこう。 ドア開閉用のワイヤーと鍵開閉用のワイヤーが入れ違ったり、きちんとハマっていなかったりした状態で、きちんと確認せずにドアを閉めると、ドアノブを引いてもドアが開かなくなるので、人生が終わる。 私は人生が終わった。 (なんとか、長い時間をかけてキーレス鍵で開閉を繰り返しながら、ドアノブを引いたりしていたら、奇跡的に開いたので、事なきを得たが、このまま開かなければ修理になっていたところだ。なぜなら、ドアが閉まった状態では、内張りは外せないため、取り返しがつかない) ドアを閉める前に、絶対に以下のことを確認しよう。 1.ワイヤレスキーで鍵の開閉をしてみて、ドアの物理鍵が動いて、ドアのロックがかかるか 2.ドアノブを引っ張り、ワイヤーを引いている感触があるか助手席側フロントドアのデッドニング
助手席側も、全く同じ要領でデッドニングを行った。
助手席側は、作業に慣れたこともあり、半分くらいの時間で終えることができた。
フロントドア デッドニングの効果は!?
結局、12時から始めて、運転席側と助手席側のデッドニングが終わったのが16時だった。 4時間の作業だ。 (うち、40分くらいは、ドアが開かずに半べそをかいていた)音質の変化
[メリット] ・音の輪郭がはっきりした 低音〜高温の全域で、音の輪郭がはっきりとした。音の解像度が上がったと表現するべきか。 これまでの籠もった感じから、1枚ベールを剥がしたような音になった。これは効果抜群で素晴らしい。 ・シンバルや鈴などの金属音がキレイになった 楽曲の中で、シンバルや鈴の音などの金属音が使われていることが多いと思うが、この音が「shiny」という感じでキラキラするようになった。澄んでとてもキレイな音だ。 普通、デッドニングの効果は低音域〜中音域で顕著に出るらしいが、高音でこのような改善が見られるとは思っていなかった。 (ノイズキャンセリングは、原理上高音域は難しい。高音は逆位相の音が発せられてもキャンセリングになることは稀だと思うのだが。。) どうも、制振効果が効いて、スピーカーの駆動力が高まったようだ(と理解しておこう)。 ・低音が締まった これはデッドニングの効果としてよく目にするものだ。ボワボワした低音から、リズミカルだが腹に来る低音に変わった。 EDMなどを長時間聴いていると、ボワボワした低音のせいで疲れていたが、長く聴いていても疲れなくなった。 ・低音の迫力が増した(量感が増した) デッドニング後1日中ドライブで車を走らせていると、だんだんスピーカーなどの座りが良くなったのか、低音の量感が増して、迫力が増した。 これまでは、低音がスカスカだったので、イコライザーで低音を増強していたが、イコライザーが不要になった。腹に来る低音が出せるようになった。 [デメリット] ・デメリットは無い 音質面でデメリットは皆無だ。メリットしか無い。 4時間位の稼働を要するが、やる価値は十分にある。静音性
デッドニングには、静音性(ロードノイズ、風切り音、エンジン音が低減される)効果が期待できるが、その観点での評価。 ・一般道を走っているくらいのスピードだと違いは分からない (ハリアーは、もともと静音性の高い車なので、効果は分かりづらい。特に、350Gは3.5リットルなので、エンジン音は静かだったからだ) ・高速道路を走ると、少し静かになったかな?という程度 風切り音などは軽減されたように思う。ロードノイズは変化なし。 あまりドアに制振材をふんだんに使わなかったので、静音効果は薄いようだ ・普段聴く音楽のボリュームが27→23に下がった これは、静音の効果なのか、デッドニングによりスピーカーの駆動力が増して音量が大きくなったのか、キャンセリングが減って本来の音量になったのか分からないが、いつも27のボリュームで音楽を聴いていたのが、23のボリュームで同じくらいの大きさになった。 これは嬉しい効果である。あとがき(実はまだまだこの後続きます)
今回はDIYを志す者として、ホームセンターで買えるものだけでデッドニングをするという制約を課したが、Amazonで買うなら、エーモンからキットが安く出ている。 消音材や制振材も含んで、2千円ちょっとで買える。 消音材が欲しいので、これを買ってしまいそうで怖い。 そうなると、「なぜホームセンター縛りでデッドニングをしたのか」という自問に答えられなくなってしまう。困った。制振材追加 + スピーカー交換
一度、ドアの内張りの剥がし方を覚えてしまうと、「あそこの鉄板が振動しているのではないか」と妄想し、直ぐに何かしたくなってしまう。 少しコンセプトから外れてしまうことを自分でも認識しながら、エーモンの制振シートを買ってしまった。
しかも、よく見ると分かってしまうと思うが、純正のマグネットが小さすぎて軽すぎるスピーカーに耐えられなくなり、スピーカーを交換した。
格段に、高音の伸び、低音の迫力、重低音の響きが向上した。
スピーカー交換の模様は、こちらのエントリに書きました。

社外スピーカーに交換して簡単に音質向上させる方法|カーオーディオ
ドアの内張りを剥がして社外スピーカーを交換した。純正の小さなマグネットスピーカーとは雲泥の差の音質になったのでレポ
リアドア(後部座席ドア)のデッドニング
フロントドアのデッドニングを行った後、「あぁ、リアドアのデッドニングをまだしてないんだ。やろうか、やめておこうか、どうしよう。」と悩む日々が続いた。 デッドニングの効果に魅了され、泥沼にハマってしまったのだ。 こうなっては病気である。 ということで、パカっ
これがリアドアのドノーマル状態だ。
ついに、リアドアも内張りを剥がしてしまった。
剥がし方は、フロントドアと全く同じ要領。
リアドアには、ビビリ防止のためのスポンジは付いておらず、耐水のためのビニールのみだ。オーディオにとっては劣悪な条件だと言える。
リアドアの内張りにも、吸音材であるニードルフェルトがふんだんに使われていた。
ドノーマルでもけっこうリッチな感じだ。
リアドアのアウターパネル(最も外側の鉄板)に、制振シートを貼り付ける。
スピーカーの裏側から発せられた反位相の音により、アウターパネルが振動しないためだ。
加えて、ロードノイズなどの振動を抑制して、スピーカーコーンの振動を邪魔しないためだ。
アウターパネルに、制振シートの上から、ホームセンターで格安で購入できるNRスポンジゴム(前述)を貼った。
(モールの留め具が突き出していますが、しょうがない)
スピーカーホールから見ると、こんな感じ↓
あと、このNRスポンジゴムは断熱効果も高いようだ。
夏の暑い日に作業して、直射日光がこのドアに当たっていて、アウターパネルは触れないくらい熱くなっていたが、NRスポンジゴムの後ろは、ひんやり冷たかった。
NRスポンジゴムを敷くことで、エアコンの効きが良くなるだろう。
デッドニングには、こういった副産物的な効果もきたいできる。
あとは、これもホームセンターで購入できるアルミテープで、サービスホールをひたすら埋めて、デッドニング完了。
リアドア左側も同じ要領でデッドニング↓
[リアドアデッドニングの効果]
・音質
- 低音の迫力が格段に増した:後部座席に乗車する人向け以外にあまりリアドアのデッドニングは意味がないと言われることが多いが、低音の迫力がかなり増した。そもそもリアドアのスピーカーはインチ数の大きいスピーカーで高音はあまり出ず、また出たとしても高い周波数は減衰が早いので、運転席まであまり聞こえない。一方、低音については、デッドニングにより、反位相の音が軽減されて低音が大きくなり、低音の量感が増したというメカニズムだ。低音の量感が欲しい人は、リアドアのデッドニングはオススメだ。
・静音
- ロードノイズが格段に小さくなった:フロントドアのデッドニングは静音効果は低かったが、リアドアは静音効果が高い。なぜなのか。リアドアだけデッドニングせずに残っていたからなのか?ともあれ、リアドアのデッドニングにより、ロードノイズが軽減されて車内が静かになった。
ドアのデッドニングは、それなりに時間はかかるけれど、自分で音を作っている感じがしてとても楽しい。
世界にひとつだけのオーディを環境を作ることができる。
次は、リアスピーカーを交換したくなるんだろうなぁ…
コメント
はじめまして。
デッドニングの記事、とても参考になりました。
業者に頼んだりお金を出せば良い部材はいくらでも手に入りますが、ホームセンターに売っているものだけというところに興味をそそられました。
やり方は無限大、その中で材料の価格や施工方法を考慮して自分なりのやり方を考えてゆく、そんな時に他人(ひと)のやり方は大変参考になります。
今回デッドニングは3回目ですが、まだこれといったやり方は定まっていないので今回のやり方を検討中です。
ところで、記事の中に「ドアノブを引いてもドアが開かなくなるので…」とありましたが、それはアウターハンドルでも開かなくなったのでしょうか?
私も同じ事をやったことがありますが外したのはインナー側だけだったので、パワーウィンドウを開けるか他のドアから外に回るかして普通に外から開けました。
車種によってはそうもいかないのかも知れませんが、もし外からでも開かない場合は、ビニールコーティングされた針金ハンガーを切り伸ばし先を曲げたもので、反対側のドア内を参考にしながら外の窓の隙間から車種によって押すなり引くなり引っ掛けて開けることが出来ます。
(この時針金にシリコンスプレーを掛けるとスムーズですし、あと、配線を通す時などにもシリコンスプレーは重宝します。)
これも何度か経験しました。
が、高級車になるほど窓の隙間などシッカリしていてやりにくいかも知れませんね。
記事にたいして関係の無い話が長くなってしまいました。
ドアノブの話に興味があったものですから…すみません。
今後も自作、自分で取り付け、挑戦、奮闘記など期待しています。
では、失礼します。
とても参考になる情報ありがとうございます!とても勉強になりました!
そうです、内側のドアから開かなくなりました。パニクってたのであまりよく覚えてないというのが正直なところなのですが、確かに外側のドアノブから開ければ、開いたかもしれません!
そして、最終手段の針金ハンガーも参考になります。
次回から心置きなくデッドニングの施工ができそうです。