PlayStationのコントローラにiPhoneのイヤホンを使用したい
PlayStation用のイヤホンとして、使い慣れたiPhoneのイヤホンを使いたいという人も多いのではないだろうか。
お馴染みの、こういう↓イヤホンですね。
カナル型とオープン型のハイブリッド型?(ちょっとオープンより)という形状で、けっこう音も良いので、使い勝手が良い。
外の声も聞きたいときはオープン型のイヤホンが使いやすいが、マイクも付いたオープン型のイヤホンってあまり無いので、iPhoneのイヤホンは貴重な存在だ。
最近のiPhoneは、イヤホンジャックがつかなくなってしまったので、lightning端子のついたイヤホンが付属してしまい、この写真のようなステレオミニジャックのイヤホンが付属しなくなってしまったのは少し悲しいことだ。
個人的には、iPhoneには昔のようにステレオミニジャックを付けておいて欲しいところだ。
少々話が脇道へそれてしまったが、話を戻そう。
PlayStationのコントローラ (DualShock)に、iPhoneのイヤホンを接続すると、「ピーー」という高音のノイズが常時入ってしまって、ボイスチャット(VC)用として使い物にならない問題がある。
これは由々しき問題である。
今回は、この「ピーー」ノイズ問題について、ステレオミニジャックの規格や、PlayStationやiPhoneの仕様の観点から分析し、解決していきたいと思う。
ステレオミニプラグの規格について
まずは、マイク付きイヤホンの端子(ジャック/プラグ)の規格について分析することにする。
マイク付きイヤホンの端子は「4極ステレオミニ端子」という名前が付いている。
下図に示すように、端子が4つあるため、4極という名前が付いている訳である。
(マイクが付いていないイヤホンは、下図左のように「3極ステレオミニ端子」となる)
ここで悩ましいのが、図を見て分かるとおり、4極ステレオミニ端子には、「CITA規格」と「OMTP規格」の2種類がある。
CTIA規格とOMTP規格の違いは、GND(グランド)とMIC(マイク)の端子の場所が異なる。
(GNDとは、音声信号の基準となる電位を伝えるための端子で、アースという呼称でおなじみかもしれない)
CTIA規格の方が圧倒的にメジャーなのだが、一部OMPT規格に準拠した製品もあり、どちらの規格に対応した製品なのか、注意する必要がある。
CTIA規格 (Cellular Telephone Industry Association):
iPhone、PlayStation、Nintendo Switch等の多数の製品
OMTP規格 (Open Mobile Terminal Platform):
Xperiaの旧型機、Sony Ericsson、サムソン旧製品、NOKIAなどの海外製品
PlayStationにiPhoneのイヤホンを使えるか?という観点で見るとPlayStationもiPhoneもいずれもCTIA規格なので、同じ規格である。
従って、規格が違うことが理由で、DualShockコントローラにiPhoneのイヤホンを挿すと「ピーー」というノイズが入るわけではない。
PlayStationのコントローラ(DualShock)のイヤホン端子↓
(PSボタンの下にある端子)
iPhone付属のイヤホン端子↓
ちなみに、CTIA規格がメジャーで、OMTP規格はマイナーだ。
CTIA規格 (Cellular Telephone Industry Association)もOMTP規格 (Open Mobile Terminal Platform)もその略語を見ても分かるとおり、携帯電話用途に作られたものだ。
このあたりは、ちゃんと標準化で統一した規格にしてほしかったものである。
3極ステレオミニ端子との互換性の観点で見ると、CTIA規格は3極ステレオミニ端子とMIC端子以外は同じ配列になっているので、互換性があることが分かる。
対して、OMTP規格は、3極ステレオミニのGND端子の部分が、OMTP規格ではMICになってしまうため、互換性に乏しい。
そういう観点でも、OMTP規格が主流になっている理由が分かるだろう。
これは完全に蛇足な情報になるが、CTIA規格とOMTP規格を変換するプラグも安価に売られている。
もし規格が異なる場合は、こういうものを間に挟むのも一つの手である。
(ちなみに、もしかしPlayStationとiPhoneで規格が違うのか!?ということで、この変換ケーブルを買って試してみたが、前述のとおりPlayStationとiPhoneで同じ規格のなので、当然これでは解決はしなかった)
PlayStationのコントローラにiPhoneのイヤホンを挿すとなぜノイズが載るのか?
ステレオミニジャックの規格は、PlayStationもiPhoneもどちらもCTIA規格なのに、ではどうしてPlayStationのコントローラにiPhoneのイヤホンを挿すと、マイク入力に「ピーー」という常時ノイズが載ってしまうのか?
その原因は、iPhoneのイヤホンが特殊であることが原因としてある。
iPhoneのイヤホンには、マイク入力だけではなく、ボリュームの+(プラス)ー(マイナス)や、電話着信に応答する機能などの信号を送る機能がある。
イヤホンの右側ケーブルに付いているこの長方形の箱ですね↓
この制御信号をマイクラインに載せることで、iPhoneとの制御信号のやり取りを行うらしい。
つまり、マイク端子に余計な信号が載るので、PlayStation側ではこれをミスリードして、「ピーー」というノイズが入ってしまう訳である。
このマイクラインに載ったPlayStationにとっては余計な信号を取り除くことは不可能なので、PlayStationのマイク用に、iPhoneのイヤホンを使用することは不可能であるという結論になる。
マイク用途にはしようできないが、L-ch、R-ch、GNDの信号は生きているので、ゲームの音をiPhoneのイヤホンで聴くだけの用途には使用することができる。
では、結局どうすればよいのか?
ということで、結論をまとめたいと思う。
PlayStationのコントローラにiPhoneのイヤホンを挿して使用する場合、下記の方針になるという結果になった。
(1)ゲームの音を聴くだけの用途にiPhoneのイヤホンを使用する場合(マイクは使用しない)
→iPhoneのイヤホンを使用可能(後述するが、その場合マイクの音量は0にする必要あり)
(2)ボイスチャット用途にマイクも使用する場合
→iPhoneのイヤホンは残念ながら使用できない
それぞれについて解説したいと思う。
(1)ゲームの音を聴くだけの用途にiPhoneのイヤホンを使用する場合
ボイスチャットはしない予定であり、マイクは使用しない場合は、iPhoneのイヤホンを使用しても全く問題ない。
ただし、その場合は、一緒にゲームをプレイしている同パーティに迷惑をかけないように、マイクの音量は0(ゼロ)にしておくことをオススメします。
そうしないと、先方がもしもボイスチャットONの場合に、あなたのマイクから常時「ピーー」というノイズが届いてしまい、迷惑をかけることになってしまうためだ。
マイク音量をゼロにする方法は簡単だ。下記のとおり↓
「設定」→「サウンドと周辺機器」→「マイクレベルを調整する」
この「マイクレベル」を最小にするだけでOKだ。
(2)ボイスチャット用途にマイクも使用する場合
ボイスチャット用にマイクを使用したい場合は、残念だがiPhoneのマイクは使用できない。
従って、ヘッドセットやマイク機能を持つイヤホンを別途購入して準備する必要がある。
好みで選んで良いと思うが、「PlayStationに対応」等の説明書きがある製品を選ぶのが安心だ。
ちなみに、私は彼女用のヘッドフォンとして、Amazonで下記のヘッドフォンを購入した↓
OneOdio Pro10 ヘッドホン 50mmドライバー 有線 マイク付き DJ モニターヘッドホン オーバーイヤー 密閉型 …
あとは、USB接続のマイクを使用するという手もある。
この方法は一番本格的で、マイクの音質も格段に良いため、一緒にパーティを組んでいるボイスチャット相手にとって、一番うれしい方法になるだろう。
あとは、今後YouTube等で配信したいと思っている人にとってもおすすめの方法だ。
私は、下記のUSB接続のコンデンサマイクを使用している。
これは、在宅勤務のWeb会議などにも使用できるため、とても便利なので、1台買っておいても良いかもしれない。
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